里山隊

『麦味噌』と『飴』がつなぐ縁

2014年3月12日

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宇和島市の『きさいや広場』でひときわ目立っていたお洒落でレトロなパッケージ。ポケットサイズの米袋の表には『宇和島のあめ屋とみそ屋の三代目が作った麦みそ飴』の文字が並び、裏には3代目の凜々しい写真入り。製造元の植村製菓は近所と聞き、ふらりと立ち寄ってみました。

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昭和12年創業の植村製菓は家族で昔ながらの球断機(きゅうだんき、写真右の飴の形を整える道具)を使って、抹茶飴、黒糖飴、ニッキ飴、手まり飴などを手作りしています。工場内は飴屋さん特有の甘〜い匂いが漂っていて、結婚式用のカラフルな飴が積み上げられていました。

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数年前に宇和島市商工観光課から、植村製菓の三代目でもある植村仁さんの元に「井伊商店の麦味噌を使って、町の特産になるような飴を作ってほしい」という提案があったそうです。植村さんは井伊商店の三代目でもある井伊友博さんとは面識がなかったものの「共通の友人がいて、友博さんが若いのにがんばっているのは知っていたし、味噌がおいしいというのも知っていたんですよ」ということで、地元の老舗どうし、しかも三代目どうしのコラボが実現。それもまた何かの縁というわけで、植村さんは「たまたま三代目どうしという、偶然が生んだ飴」とも。

商品化するうえで苦労したのは「空気の入れ具合」で、入れすぎると味噌の味が出なくなるそうです。こだわりは「味噌の繊維をちゃんと出している」ことで、口に入れる麦のほのかな香りはもちろんのこと、麦の繊維やざらつき感が楽しめます。味はカンロ飴をしょっぱくした感じで、口どけも良いので(少なくとも僕は)いくらでも食べられそうです。もちろん保存料・着色料は無添加で、よく売れているという大豆入りの『お豆ちゃんキャンディー』ともども、老若男女におすすめです。

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パッケージデザインは数々の仕事で知られる高知のサコダデザインに依頼。まったくのお任せでしたが、飴とは思えないデザインに、これなに? と手に取る観光客も多いようです。2011年のデビュー以来、売れ行きも好調で、梶原さんは「みんなに新たに知ってもらえるような宇和島の特産品、これから長い間作れる商品ができたかな」と満足げ。

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春を思わせる陽気に誘われ、宇和島市民の憩いの場でもある津島町の南楽園へ行ってみました。

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南楽園の総面積は東京ドームの3倍以上で、2つの池を中心に現代造園技術の粋を集めた四国最大規模の庭園です。受付の女性から「今はハクモクレンが咲いています」と聞き、すすめられるまま左半分を回るコースを歩いて行きます。

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手入れの行き届いた植木は独特な造形を描き、池では人懐っこい鯉が泳ぎ、カモが自由気ままに泳いでいます。あまりの気持ちよさに、大きく伸びをしてしまいました。
3万株の花菖蒲をはじめとする花々も自慢のひとつで、4月12日から『つつじまつり』が開催。四季で言えば、春はソメイヨシノ、藤、花菖蒲、夏はフヨウ、サルスベリ、秋は彼岸花、ノジギク、冬は梅、県花でもある椿などを楽しむことができます。昼食後だったので何も食べませんでしたが、庭園内には宇和島市に本店がある『食彩和日輔別邸』では宇和島鯛めしや茅葺き農家風の『里の家』では抹茶やお茶菓子を味わうことができます。

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ハクモクレンはほぼ満開。

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恒例の『梅まつり』は終了していましたが、しだれ梅が少し。

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園内に3つあるパワースポットのひとつであり、目を撫でると幸せになれるという『鯉のモニュメント』もしっかり撫でておきました。今回は1周約30分ほどの滞在でした。1時間くらい考慮しておくとぞんぶんに楽しめるかと思います。

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『麦みそ飴』でコラボした植村製菓の植村仁さんいわく「若いのにがんばってる」という、井伊商店の3代目こと井伊友博さん(32歳)を訪ねると、作務衣姿で表れたご本人が人懐っこい笑顔で迎えてくれました。

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あたたかな外とは逆に工場内はひんやりとしていて、フロアには熟成中の味噌が入った直径1メートル以上の木桶がでーんと鎮座しています。味噌は麦味噌、米味噌、豆味噌に分類され、全国的には米味噌が主流です。九州全域、山口県、愛媛県は塩分低めの麦味噌が主流です。

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昭和33年創業、『麦味噌』一筋の井伊商店のこだわりは天然醸造で、井伊さんは「悪い言い方するとほったらかし。ただ、待つだけなんです」と言います。大手は温度を管理することによって微生物の発酵をうながし、数週間で味噌が出来上がるのに対して、天然醸造は夏場は3カ月、冬場にいたっては6〜8ヶ月もかかるそうです。

どっちがおいしいかは歴然としていて、『宇和島の甘めの麦味噌』は地元のみならず全国各地の料理店や食卓で使用されています。井伊商店の麦味噌の特徴は「麹の香りが強くて、甘みがある。味噌汁にした時も口当たりがいい。まろやかですね」というもの。もちろん防腐剤・人口甘味料などの添加物は使用していません。

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味噌の仕込みは3月から11月までで、井伊さんは「味噌は麹が命」と断言。工場内の奧にある『麹室(こうじむら)』と呼ばれる、麴をねかし、麴かびを繁殖させる保温室にも入らせていただきました。 仕込みが始まると室内は32度に保たれ、温度が高い場合は天窓を開け、低い場合はストーブでこまめに調整するそうです。

建築設計の仕事をしていた井伊さんは味噌屋に転身して4年目。先代の仕事を、見て覚えながら日夜奮闘。最近は松山市内のスーパーマーケットでの試食実演販売を積極的に行っており、豊富な知識と人当たりの良さで商品の魅力をアピールしています。

投稿 おかべぇ

…………………本日の行程…………………
宇和島市
11:00 植村製菓

13:00 南楽園

15:00 井伊商店

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植村製菓の植村仁さんとご両親

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南楽園

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井伊商店の井伊友博さん