里山隊

森の国ときじの里で名物を味わう

2014年7月29日

IMG_6556土用の丑の日の前日、幻の天然うなぎを探し求めて松野町に向かっていると「棚田」という看板に誘われるまま、山道の急坂を激走。辿り着いた先は『日本の棚田百選』にも選定された遊鶴羽(ゆづりは)集落の『奥内棚田(おくうちたなだ)』で、稲穂の緑がまぶしい桃源郷のような場所でした。

IMG_6609松野町を流れる広見川はウナギ漁や鮎漁が盛んで、町内では数軒の店が天然ウナギを提供しています。僕たちがうかがったのは、『虹の森公園おさかな館』近くの『末廣(すえひろ)』で、お店の回りに漂うタレの焦げる匂いが食欲をそそります。店内は明日の仕込みでてんやわんやでしたが、2代目を務める友岡勝子さんは快く取材に応じてくれました。

IMG_6659IMG_6662

天然ウナギと養殖ウナギの違いは一目瞭然で、天然物はアメ色で養殖物はブルー。なによりも天然物は皮が薄くて、身が固い。しかも広見川のウナギは川の石の間を縫うようにして泳ぐ「小石くぐり」であることから頭が小さく胴が太いのが特徴で、尻尾の先まで身が詰まっています。

ちなみに末廣では広見川や四万十川の漁師さんが30人くらいから仕入れており、昔ながらの『地獄漁』と呼ばれる仕掛けでウナギを獲っています。

IMG_6675IMG_6677

長年ウナギにかかわってきた友岡勝子さんのこだわりは「さばきながら焼く」で、「天然物はウナギの収縮度が違う。シュッと縮むので身が分厚い」とも。さらにタレをつけると焼きが回らなくなるので、その前段階の白焼きの際ににちゃんと焼くことが肝心。

タレは継ぎ足しで長年使用しているもので、醤油は『ヤマタカ』とも呼ばれているを鬼北町・高田商店のものをベースにしています。

IMG_6701さっそく『蒲焼き』を頂きます。いやぁ、これがもう…。脂は十分のっているのですが、養殖物とは脂の質が違う。だからたくさん食べてもおなかにもたれないし、いくらでも食べられそうです。

濃いめが好きな人にはタレをかけてももいいし、山椒をかけるとおいしさが際立ちます。また、ウナギは水温が上がると脂が出てきてののりがよく、水温が下がると脂がのらないそうで、今年は不漁だとか。

また、友岡さんは「ウナギに対しての思いやり」と言って、おいしく食べるためには米、炭、お茶に、地元産のいいものを使うということを教えてくれました。

IMG_6701天然ウナギは決して安いものではありません。でも、「年に1回の贅沢だから」と県内外からお客さんが訪れるそうです。松山市から来たというお孫さん連れのご夫婦もそうで「天然物は全然違う」と言っていました。そして、松野町のウナギについて「すべて宝石みたいに思ってますけど」としみじみ語ってくれた友岡さんの言葉は、ウナギへの惜しみない愛情が感じられるものでした。

IMG_6858鬼北町の特産品と言えば『柚子』に『キジ』で、『きじの助』というゆるキャラもいるくらいです。町内に『キジ』を使ったそばがあると聞いて、鬼北町と宇和島市を結ぶ国道320号沿いの『そば処ほそ川』へ。

店主の細川清人さんは伊予市『クラフトの里』でそばを食べたのを機にそばに目覚め、東京のそば学校に通って技術を習得したあとに、南予にそば屋がほとんどんなかっ16年前に店をオープン。不安は?と訊くと「なかった。もう勢いで。みんなからは10年早いと言われたけど」と笑います。

IMG_6794メニューには『キジ重』、『キジ南蛮』、『キジ肉唐揚げ』など、キジを使った料理がずらり。5年くらい前に役場から「キジを使ったメニューをつくってくれないかと要請があり、肉の加工を手がける『鬼北きじ工房』との密なやりとりを経てキジを使ったメニューを考案したそうです。僕たちは看板商品の『キジセイロ』をいただきました。

IMG_6814ほそ川のそばはすべて手打ちで、国産そば粉100パーセント使用。別の場所で『そば打ち道場』を開催している店主の細川清人さんが「私は徹底的にこねます」と言うとおりにコシがあり、食感とうま味を一番大事にしています。それを『キジセイロ』の場合は2分30秒ほど茹で、氷水でさっとしめます。

IMG_6808あたたかい出汁は甘めで、絶妙な火加減ゆえの柔らかくて歯ごたえのあるキジ肉、キジ肉と一緒に炒めることでうま味を引き出されたネギ、三つ葉、トッピングの山椒、そばが混然一体となることで、深い味わいが楽しめます。最後のそば湯がこれまた絶品で、出汁をもらっていいいですかというお客さんもいるそうです。

IMG_6828IMG_6837

店のお客さんは地元中心で、昼は日替わりメニューが人気。「おいしくて食べてもらうのが一番の喜びで、おいしかったと言われるのが一番の励みになります」とのこと。

南予に店を開いてはや16年。整体が趣味という店主がつくるコシのあるそばは、この地にしっかりと根付いています。

投稿 おかべぇ

…………………本日の行程…………………
松野町
13:00
末廣

鬼北町
15:00
そば処ほそ川

IMG_6727

末廣の友岡勝子さん

IMG_6852

そば処ほそ川の細川清人さん