里山隊

天空のカフェから始まった四国西予ジオパーク巡り

2014年2月13日

IMG_3690一夜を過ごした西予市野村町惣川の土居家を後にして、同じ町内の野子林にある『里山喫茶イソップ物語』へ。国道197号から外れ、かなりの急坂を登っていくと集落が現れ、教会のような建物(お店の倉庫)のかたわらに一軒家風のお店があります。
オーナーが「村おこしになったらいいかな」と2006年にオープン。モットーは「お客様第一」で、年配のお客さんが多いそうです。
IMG_3663IMG_3744母屋は奧に囲炉裏の間があるレトロモダンな作りで、カウンターの後ろにある額縁を模した窓から外の景色を眺めることができます。奥の離れ(1枚目の写真)は自然光あふれるヨーロッパ風の作りで、天空にいるかのような180度パノラマを楽しめます。

IMG_3709オープン当初からの人気メニュー『シフォンケーキ』には、イソップ農園で穫れたブルベリーをジャムと生クリームを付けて提供しています。一番の売りはふわふわの食感で、子供から年配の方までに喜ばれています。スタッフやインテリアが醸し出す家庭的な雰囲気も居心地が良く、ついつい長居してしまいそうです。
IMG_3763テラスには人慣れした数羽のヤマガラが飛び交っていて、相棒の「のり」が手を差し伸べるとほら、この通り。
IMG_3765店の自慢でもあるテラスからは180度パノラマが楽しめ、下のV字谷に虹がかかることもあるそうです。
IMG_3798イソップ物語にて、本日のガイドを務めていただいた『西予市ジオパーク推進室地域おこし協力隊』の蒔田尚典さんと合流。いよいよ、市が推進している『四国西予ジオパーク』の東部に位置する、山間部寄りのポイントを巡る旅の始まりです。

ジオパークとは地質、生態系、食、人の歴史や文化を観光、教育、さらには地域活動の活性化に活かそうという活動のこと。ひとつの市に海抜0メートルから標高1400メートルが存在して、人が定住しているところは全国的にも希だとか。町村合併のたまものとはいえ、目からウロコです。

イソップ物語にも近い堂野窪は『V字谷と河成段丘(かせいだんきゅう)』が多く見られる地区で、下を流れる大きくて流れの速い川が谷を浸食したのがV字谷。また、大地の隆起により階段状の段丘が形成され、そこに人が住むようになる。という繰り返しのなかで、段丘面を利用して作物を作るようになったとか。
IMG_3810城川町の『大和田橋付近の黒瀬川構造帯』にも降りてみました。ただの岩石のように見えますが、実は4億年から4億5千年前の黒瀬川構造帯の一部であり、四国最古の火成岩類や石灰岩などが観察できます。
近くで4億2500万年前のシルル紀の三葉虫の化石が発掘されたこともあり、道路沿いにそれを記した小さな看板が設置されています。

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IMG_3881城川町の田穂(たほ)にある『堂の坂の棚田』は『棚田百選』のひとつとして有名。初夏くらいに訪ねれば、さぞかし素敵な景色を見ることができるでしょう。
IMG_3875田穂の棚田の近くにある『田穂の石灰岩』は、学術的に貴重な中生代始め頃のアンモナイトの化石が発見された場所。県の天然記念物に指定されており、石が檻に囲まれている光景はちょっと異様ですね。四国西予ジオパークのなかでも、かなりディープな部類かと思います。
IMG_3827IMG_3832お昼は野村町の産直市場『百姓百品』で『ジオ弁当』を購入して、町を一望できる愛宕山公園でランチ。
城川町と野村町のご婦人たちによる西予生活研究協議会では、西予市に属する5町の特産品を活かした『ジオ弁当』に取り組んでいる最中で、この弁当も野村町産の材料のみで作られています。
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IMG_3929午後は野村町民の避暑地『桂川渓谷』へ。入り口から終点の乙女御前の滝まで1.1キロの遊歩道が続いており、鯉が放たれた清流を横目に、時には天然のミストを身体いっぱいに浴びて森林浴が楽しめます。
ここにはかつて乙女御前という姫が身を投げたと哀しい伝説があり、うっそうとした緑とあいまってどこか神秘的な雰囲気があります。
このあたりの谷は『チャート』と呼ばれる、放散虫の化石でもある固い岩石で形成されており、奇岩や滝、吸い込まれそうな淵が連なっています。
キャンプ場も完備しているので、オンシーズンになればさまざまな楽しみ方ができると思います。

IMG_3949そぼ降る雨のなか、宇和海に面した明浜へ。
南予(愛媛県南部)は段々畑が多いことで有名ですが、『狩浜の段々畑』では珍しい石灰岩を石積みしており、水はけの良さを活かしておいしいみかんが栽培されています。黄色く見えるのは菜の花。
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IMG_3953ジオパーク巡りの最後は、八幡浜市との境界線近くにそびえる『さざえが岳』へ。

ここも桂川渓谷と同じチャートという石でできており、崖でロッククライミングをする人もいれば隼(はやぶさ)が巣を作っていたりと、地形を活かした生態系や人の営みがあります。
さざえが岳の名前の由来は諸説あり、よくある津波の時にさざえが持ち込まれたという説は現実的ではなく、下から見るとさざえのように見える、からだそうです。

大和田橋付近の黒瀬川構造帯を訪ねた際に、地域おこし協力隊の蒔田さんは「僕たちは4億年から4億5千年前の大地の上に立っているんですよ」と言っていました。あ、なるほど。

西予市の見慣れた風景も元をたどれば、途方もない年月をかけて出来上がったものなのです。市では『四国西予ジオマップ』や詳細地図を用意しており、今回のようなジオポイントを巡ることで、自身のルーツをたどることができます。

投稿 おかべぇ

…………………本日の行程…………………
西予市
9:00 イソップ物語

10:00 V字谷と河成段丘

11:00 大和田橋付近の黒瀬川構造帯

12:00 堂の坂の棚田〜田穂の石灰岩

13:00 愛宕山公園

14:00 桂川渓谷

15:00 狩浜の段々畑

16:30 さざえが岳

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イソップ物語のスタッフ、渡邊さん

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四国西予ジオパーク