里山隊

伝統菓子「志ぐれ」を使った和洋折衷スイーツとの出会い

2014年7月11日

IMG_0163台風接近もなんのそのあやしげな曇り空のなか、里山隊は伊予の小京都こと大洲へ。肱川橋に近づくにつれ、サクラやツツジで有名な『冨士山(とみすやま)』が見えてきました。名前の由来は富士山に似ているからで、花見や遠足などで地元の人たちにとっては身近な山です。

IMG_0264肱川橋からもほど近い、老舗が軒を連ねる殿町商店街の『山栄堂』を訪ねました。親子2代による家族経営の店で、大洲3大和菓子のひとつ『志ぐれ』を中心に、2代目が手がける洋菓子の製造販売も手がけています。

IMG_01822008年にキャリア教育の一環として、地元・大洲喜多小学校の5年生でオリジナルスイーツをつくろうという企画が持ち上がりました。児童からのプレゼンを受けた山栄堂は試作を重ね、時には子どもたちに試食してもらいながら和洋折衷とも言えるスイーツを開発しました。

IMG_0202老舗洋菓子店と小学生のコラボから生まれた『とみす志ぐれロール』は抹茶のスポンジで生クリームと志ぐれを包んだロールケーキで、抹茶が惜しみなくふりかけられています。ネーミングにもあるように『冨士山(とみすやま)』をイメージしており、さしずめ『風薫る季節の冨士山』というところでしょうか。

生クリームに練り込まれた志ぐれは店で販売しているものとまったく同じものだそうですが、もともとが甘さ控えめ、糖分控えめであるため、アイデアを出した子どもたちにも好評です。なによりも、モチモチの志ぐれとやわらかなスポンジが合わさった時の味と食感は格別です。

店主の中野さんは「ロールを一緒に作ったことで、地元の子どもたちとの距離が近くなりましたね。志ぐれはこういうもんだというのを知ってもらったことが大きい」と言うように、食育の面でも大きな一歩になったようです。

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山栄堂の『志ぐれ』は栗や柚子など、市内最多となる8種類をラインナップしています。また、『鮎もなか』は鮎釣りが解禁されるとよく売れるそうです。

お店のポリシーを訊ねると、店主の中野さんはきりりとした表情で「いい原材料を使って、誠実にやっています」とひと言。もちろん小豆は北海道産を使用しています。
IMG_0446山栄堂を後にして、国道56号沿いのフランス語でお菓子屋さんを意味する『パティスリー』を訪ねました。

明るい店内には看板商品のバームクーヘンとともに大洲の伝統菓子『志ぐれ』が並べられていて、イートイン・スペースや即日対応もできるケーキ工房が併設されています。まさに和洋折衷という感じですが、明治から続く老舗和菓子店にして、伝統菓子『志ぐれ』最大手の『冨永松栄堂』が経営していると聞いて納得。年配の方は、アニメ『巨人の星』中のCMでおなじみのはず。

IMG_0366里山隊のお目当ては昨年発売された、同店と『大洲まちの駅あさもや』のみで販売の『ムースアイスもなか』。

夏場に向けた同商品を開発する際に、冨永松栄堂の5代目・冨永明佳(あきひろ)さんをはじめとするスタッフの頭のなかにあったのは「テイクアウトできて、町歩きしながら、サイクリングしながら食べられるようなもの」だったそうです。

ただ、大洲盆地の夏は暑く、アイスクリームだと溶けてしまう。それにはムース仕立てのアイスモナカにすることによって対応。しかもパリパリ感を出すために、モナカ種(皮)の内側をホワイトチョコでコーティングするという念の入れよう。

IMG_0393味は『志ぐれ味』、『バニラ味』、『いちご味』の3種類。一番人気は言うまでもなく『志ぐれ』で、工場長の山下さんのこだわりは「アイスと志ぐれをいかにマッチさせるか」というものでした。冷たいムースに包まれた志ぐれのモチモチッとした食感は、まぎれもなく冨永松栄堂の志ぐれそのもの。パッケージにもこだわっていて、冨永さんは「よく見ると顔になっているんですよ」といたずらっぽく笑います。

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取材後は冨永さんの案内で工場を見学。小豆の炊き具合で志ぐれは決まると言われており、こちらでは炊き具合の異なる2種類の釜を使うことでよりおいしく。蒸す際は二次蒸気で蒸すことによってよりしっとりとしたものになるそうです。

IMG_0414冨永さんの「とにかくこだわったものを。腰を据えて、いい仕事を」という言葉が印象的でした。

投稿 おかべぇ
…………………本日の行程…………………
大洲市
11:30
山栄堂

15:00
パティスリー

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山栄堂2代目の中野達雄さん(左)、店主の聖征さん

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冨永松栄堂の代表・冨永明佳さん(右)、工場長の山下勝明さん