里海隊

自然塩田が生み出したラーメン

2014年2月27日

本日は「水」「空気」と並ぶ人間の三大要素の内の一つ「塩」についてです。今治市の伯方島では、昔から塩田による塩の自然精製が盛んでしたが、一時期危機に陥った時期がありました。

1970年代に塩田で作られていた塩が「塩業近代化臨時措置法」の成立によって消えようとしました。それに対して松山市在住の有志が集まり、自然塩存続運動を起こしました。当時の「化学薬品の使われた塩なんて使いたくない!」「好きに塩を選ばせろ!」という食へのこだわりから、漬物をはじめ、さまざまな料理で使われる基本調味料、自然精製塩はこうして守られたとのことです。
IMG_8494現代ではイオン交換膜製塩法が主流にはなりましたが「伯方の塩」で有名な伯方塩業は、主に大三島工場を主工場として製造しているそうです。そこでは流下式塩田が現在でも行われており、ポンプなどで海水をくみ上げ、緩やかな斜面に流して水分を蒸発させます。それを立体式の細い竹の枝をいくつも組み合わせたような装置(枝条架 しじょうか)に散布し、蒸発させて塩を取り出すそうです。

こういった製塩の歴史とともに、いまの大三島はあり、特産品コーナーでは「塩○○」などの塩を上手に使ったスイーツのおみやげ品が多数並んでいます。それでもやはり、ただの食卓塩やフルール・ド・セル(フレンチやイタリアンによく使われる栄養素豊富な上質精製塩)も人気だそうです。

以前、おみやげで塩のセットをいただき、我が家の台所と食卓では大活躍しています。この「伯方の塩」を上手に使ったラーメンがあるということで、探して行ってきました。それが、こちら伯方島にある「伯方の塩ラーメン さんわ食堂」です。
IMG_8582昔はどこにでもある、定食を出す普通の食堂だったそうですが、現在の社長さんが10年以上前に県外から来たお客さんに「伯方の塩って、福岡の特産品じゃないの?(※博多と勘違い)」言われたことから、名産品である「伯方の塩」PRにつながる商品を考えたそうです。

「正直、塩なんて成分が塩化ナトリウムでしかないから、細かい味は普通分からないもの。伯方の塩を使ったからといって、味が大きく変わることもない。それでも、こうやって商品にすることで、たくさんの人に認知してもらうことができる。それを目指して一生懸命つくったんですよ。」。本来、おいしいものをつくることありきで、飲食店は新商品を開発しますが、この食堂ではあくまで情報発信のツールの一つとして考えられていました。

さあ、運ばれてきた「伯方の塩ラーメン」を食べてみます。
IMG_8614あっさりと透き通ったスープにのりなどの海草、かまぼこにチャーシュー。
IMG_8619細く白いツルッとした麺。
IMG_8632ズルッ!
IMG_8646ゴクッゴクッ…。
IMG_8649うまいやないかい!

一切手を抜いていないです。あっさりとしてシンプルな塩味に海鮮風のスープが白く細い麺によくからみ、スルスルッとノドに入ってきます。こだわりののりを使っていて、スープに溶け込むようにサラッとラーメン全体に広がり、ほおばると風味が口中に広がります。かつてこの食堂を訪れた大林宣彦監督にも「これは海の味がするラーメンだ」と言わしめるほどだそうです。

恐るべし、伯方の塩…!たかが塩、されど塩。このおいしさが特産品のブランドを確固たるものにしていくのでしょうね。

■投稿 いっしー

…………………本日の行程…………………

11:30 伯方塩業株式会社 大三島工場見学

14:00 さんわの塩らーめんを食す

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伯方塩業株式会社

伯方の塩ラーメン さんわ食堂

伯方の塩ラーメン さんわ食堂