里海隊

新居浜発祥の郷土料理を求めて

2014年3月24日

新居浜市には有名な郷土料理「いずみや」があります。酢を混ぜてこしたおからを寿司のように握り、魚の身で巻いた食べもの。かつて、この地の別子銅山の採鉱で活躍した住友グループの屋号にある「泉屋」からなぞらえて生まれた料理です。せっかく新居浜を旅しているのだから、ぜひ食べてみたい!

しかし、メニューで提供している料理店が見つかりません!なぜ!?どうして見つからない!?ここまで情報が残っている郷土料理なのに、すぐに食べられるお食事どころがないとはどういうことか?飲食店をいくつ回っても見つからず、中には「いずみや?泉屋さん?」と聞き返されるほど…。果たして、本当に実在するのか?とすら思えてきました。

そんな中、1軒だけ特別につくってくれるお店がありました。瀬戸内割烹「鞍馬」です。
IMG_3285元々は、お寿司が高価で食べられない庶民が考えた料理で、高価なお米の代わりにおからを使い始めたそうです。使うお魚も高級魚などではなく、旬の小魚(売り物に使えない大きさの魚や大漁に獲れる魚など)を使った低コストの節約お寿司だったとのこと。つくっているところを見学させていただきました。
IMG_3273おからをキメこまかくなるまでこして、卵黄を混ぜます。
IMG_3207この日の魚はコノシロ(コハダの出世魚)と鯛とサバでした。
IMG_3210魚の切り身を巻いて、ギュッと押し固めます。
IMG_3212ちなみにコノシロは、内臓の臭みが強い魚なので酢でしめられています。
IMG_3214コノシロはニシン科の魚で、日本ではかなり獲れ、逸話も多い魚です。コノシロという名前も、官吏に見初められた美人の親が「棺桶にコノシロめっちゃ詰めて娘の火葬をしたフリしてあきらめさせよう」と考えたところから「子の代→このしろ」となったそうです。昔は大変な漁獲量から「この量は飯の代わりになる」というところから「飯代魚」とも呼ばれていたそうです。
IMG_3244さあ「いずみや」ができあがりました。酢でしめられたコノシロは食欲をそそると同時に、おからも口の中にふわりと広がります。絹のようななめらかな舌触りで、おからが食欲を満たしてくれるのが分かります。少量なのにおなかいっぱい食べている気分です。

この日は鯛とサバのいずみやがいっしょに出てきましたが、つくり方や魚の種類は決まってはいないそうです。本当につくる店、もしくは家ごとにその姿を変えるそうです。卵黄を加えない真っ白なおからの店もあれば、コノシロしか使わない店や家もあります。また、おからと魚を使った似た料理で、南予地域で食べられる「丸ずし」のように、俵型でおにぎりサイズのところもあるそうです。
IMG_3269長い年月を経て、少しずつ、のそれぞれもお店や家庭の味に姿を変えた郷土料理、それが「いずみや」の正体だったのです。時代の変化とともに、いまでは提供する店舗が少なく、地元の方もほとんど家庭で作ることもなくなったそうです。願わくば、後世に伝えられていく料理であってほしいと思います。食文化を知ることはまずその土地を理解する第一歩。新居浜市の歴史として、これからも「いずみや」には残ってほしいものです。
■投稿 いっしー

…………………本日の行程…………………
11:00 西条市の「タツノコ」で「黒ばらのり」を食す

14:00 新居浜市のく「鞍馬」で「いづみや」を食す

16:00 アッケシソウの捜索

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黒ばらのり

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いずみや

アッケシソウ

アッケシソウ