里海隊

すまきに込められた深い味わい

2014年3月20日

名水百選にも選定された『うちぬき』が有名な水の都・西条市に突入しました。おいしい水がもたらすグルメ。楽しみだなぁと期待に胸を膨らませつつ「かまぼこの山田屋」さんを訪ねてみました。
IMG_2729_edited-1巻き簀で巻いたようなあとがつくことから「すまき」というかまぼこ、山田屋さんでは本物の麦わらを使い、蒸しあげています。ぜいたくに端っこまでぎっしりと詰まったかまぼこ!この「す」と書かれたフィルムが目につきますよね。ただの透明だと見落としてしまってはいけないと、印を入れられているそうです。おもしろくて、いいアイデアだな~。
IMG_2754「本造りすまき」を、厚切りでぜいたくにいただいてみました。プリプリとした弾力の歯ごたえと、上品な魚の風味がたまりません。15歳の時に大阪へ出て修行してきたという社長の山田政光さん。しょうゆなど何もつけないで食べてもしっかりと味つけされていて、さすが食道楽の大阪で鍛錬し磨いてきた業!といった確かな風格を感じました。
現在は政光さんが早朝に買い付け仕入れたグチなどの地魚を、娘さんの知香さんが店ののれんと味を守り、受け継いでいらっしゃいます。家族であり、師弟であり、相談役であり、またライバルでもあるような父娘の会話をうかがっていると、かまぼこづくりに対する誠意と情熱を感じました。
IMG_2804女性ならではの細やかな目線で整えられた、おいしいかまぼこの香りだけが残る工場内で、製造風景を撮影したお写真を拝見させていただきながらお話をうかがいました。
IMG_2789父と娘の結晶であるすまきは、この年季の入った石ウスでつくられていました。すり身をつくるには、なにより温度が大事。温めたらダメなので、外気の熱を通しにくい石ウスはとても適しているのだそう。魚の粘りがより出て、弾力のあるすまきづくりの核となっています。摩擦熱で温度が上がらぬよう、なおかつ氷が溶けないまますり上げ、余分な水分含まず、硬く仕上げられるのはまさに熟練の技です。
IMG_2764すまきをむくのが初体験の里海隊。麦わらの流れを反対に思いっきりギュッとしぼると、ふちが少し浮きました。浮いたところから少しずつむいていきます。
IMG_2767やはり本物の麦わら、繊維が縦に割けるような手触りを感じつつ、プリプリのかまぼこからスルリとはがれました。
IMG_2785白くて美しい姿があらわに。きれいな麦わらの跡が、波のように刻まれています。いまの時期が旬で刺身で食べてもすごくおいしい来島のグチ。政光さんが買い付けてきたグチや地魚で毎日安定した味に仕上げる山田屋さんのすまきも、近年よく言われる漁獲量の減少により厳しい現実は例外ではなく大きいサイズのグチのが獲れない時は製品がつくれず、お断りするということもあるのだそう。
IMG_2809こちらは定番の「並すまき」。常連さんの中でもそれぞれにお目当てがあるようで、「これじゃないと」とおっしゃる方も多くいらっしゃるそうです。
IMG_2812並すまきをガブリといただいてみました。かぶり付いて食べられるのもすまきのいいところですね~。魚の風味が口いっぱいに広がり、至福のひとときでした。
IMG_2822「かまぼこづくりがおもしろくて楽しくてしょうがない!」と、まっすぐに語ってくださった政光さんと、父の味を大切に受け継ぎ、さらに進化する娘の知香さん。お客さんに喜んでいただくためにというものづくりに対する姿勢を見習うべきと目の覚めるような思いがしました。
これまでも数々の愛媛県の産品、そしてつくり手との出会いの中で、「熱意」と「愛」を感じながら旅を続けてきましたが、西条の地でも感銘を受ける産品、そして家族に出会えたことに本当に感謝です。

 ■投稿 カベコ

…………………本日の行程…………………

11:00 かまぼこの山田屋にて「本造りすまき」をいただく

13:00 弘法水で喉を潤す

15:00 今治市のヌーヴェル・テロワールで「愛南かき」をパスタで堪能

かまぼこの山田屋

かまぼこの山田屋

弘法水

弘法水

ヌーヴェル・テロワール

ヌーヴェル・テロワール