美味しいの担い手たち

収穫の合間にご近所の方々と
ヘイワード園地
生産量日本一を支える頼もしいおかあちゃん
西条市はキウイフルーツの生産量が日本一。小松町の山間部に位置する大郷(おおご)地区在住の黒河小百合さんは柿と並行して約30年前からもっともポピュラーな品種『ヘイワード』を栽培。自宅近くにある17アールの園地から、毎年5~6トンを収穫している。 黒河さんは「キウイは手をかければかけるほどいいものができる」という。栽培するうえで苦労しているのは「灌水(かんすい)」、つまり水やり。2013年のよう...

村田修三さん
糸を引く鳥生れんこんレンコン畑
部会長として魅力を各方面にアピール
今治市の焼き鳥店では肉詰めやフライといったレンコンのメニューが定番で、ほとんどが地元特産の『鳥生(とりゅう)れんこん』である。同市内の焼き鳥店に出荷している村田修三さんは「一番うまいのは天ぷら。すり身にしてエビを入れて、磯辺揚げみたいにするとおいしいよ」と教えてくれた。話を聞いているだけでもよだれが出てきそうだ。 鳥生れんこんは大正時代に高山卯三郎氏が導入したのが始まりで、水利や土壌に恵まれ...

 坂本憲俊さんと娘のはる香さん
穂田琉米穂田琉米
米づくりを通して里山の風景を次世代に伝える
東温市南東部の河之内地区にある景勝地『雨滝』から数十メートルの場所に生産直売所『穂田琉(ほたる)ファーム 雨滝の倉』がある。室内には園主の坂本憲俊さんが撮った里山の美しい写真が飾られており、自家精米するための機械や低温貯蔵庫が整然と並んでいる。 河之内や周辺の則之内、山之内は三内(みうち)と呼ばれる米どころで、地域の名を冠した『三内米』は知る人ぞ知る存在。かつてはブランド化しようという動きも...

山下由美さん
あすもランチおうちごはん あすも
故郷の味を次世代に伝える
宇和島市津島町の国道沿いにあるカフェ『おうちごはん あすも』の店内では米粉パン、スイーツ、味噌やしょうゆ、田舎風の惣菜などを販売。スタッフは代表の山下由美さんをはじめ、近郊の農家や漁家の奥様方で、みなイキイキとした表情をしている。 あすもの母体となる『津島あぐり工房』のキャッチコピーは「地域の伝統の味を残したい つなごう美味しい絆」。2003年に前身の『津島あぐり工房』を始めた時から変わらな...

「太秋柿(たいしゅうがき)」をむく玉井さ
愛宕柿愛宕柿
祖父の時代から受け継がれる愛宕柿を栽培
西条市は釣り鐘状の形をした渋柿『愛宕柿』の生産量が日本一で、周桑地区とも呼ばれる旧丹原町、旧小松町、旧東予市のなだらかな扇状地のほとんどが柿園である。聖武天皇の神亀年間(724~728年)に京都愛宕から伝来したと言われており、大正元年に玉井行雄さんの祖父が柿の木を植えたのを機に周桑地区で広まった。丹原在住の玉井さんは「愛宕柿があったからこそ生きてこれた。ここらの人はだいたいそうやと思いますよ」と言...

横井隆志さん
横井農園の七草横井農園の七草(すずしろ)
初春を彩る風流な習わし「七草」を手軽に
せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ。古来日本には、正月最初の「子(ね)の日」に若菜を摘む風習があった。『七草』はその風習の名残と言われ、1月7日に七草を粥に仕立て、無病息災を願いつつ食べるという風流な習わしだ。ひと昔前は野原や山裾で摘み草をしたものだが、7種類すべてを揃えることは難しく、何かしら欠けることも多かった。 近年では手軽にこの七草が手に入るようになった。...

いのとんと一緒の葛原広さん(右)
紅ほっぺ紅ほっぺ
1年以上かけて苗木を丹念に育てる
愛媛県の県庁所在地・松山市郊外にあるベッドタウンで「緑あふれる町」東温市は、日本有数の生産量を誇る『裸麦』をはじめとする農業が盛ん。市内の田園地帯で生まれ育った葛原広さんは学校の教師を55歳で早期退職してから、イチゴ栽培に関しては大ベテランの奥さんと一緒に『紅ほっぺ』の栽培を始めた。 紅ほっぺは味も香りも良い『章姫(あきひめ)』と、色が濃くて香りも強い『さちのか』を交配させた大玉のいちご。紅...

渡部光右衛さん
ほっちょ鶏は放し飼い飼料に米を混合
定年退職を機に養鶏をスタート
東温市松瀬川の山間部で、500羽の『ほっちょ鶏』を育てている渡部光右衛(みつうえ)さんは地元出身。学生時代から牛を飼っていた兼業農家で、全盛期は100頭に達した。「牛は力が強いのでこっちが危ないでしょ」と、定年退職を機に養鶏に切り替えた。 2002年に愛媛県養鶏研究所が『伊予路しゃも』のオスと『農林系ホワイトプリマスロック』のメスを交配させた地鶏『媛っこ地鶏』はほっちょ鶏と同品種。媛っこ地鶏...

吉田浩さん
愛南ゴールド愛南ゴールド
新たな収穫方法に取り組み、全国農業コンクールで受賞
『愛南ゴールド』は『河内晩柑(かわちばんかん)』もしくは『美生柑(みしょうかん)』と呼ばれる柑橘で、約250戸の生産者を抱える愛南町は生産量日本一を誇る。吉田浩さんが代表を務める吉田農園では13ヘクタールの園地を利用して『清見オレンジ』や『デコポン』などとともに愛南ゴールドを栽培しており、その生産量は町内屈指である。 愛南ゴールドを栽培するうえでの最大のポイントは立地だ。吉田さんは「木を植え...

三瀬泰介さん
いなほ農園の農園長・井伊敏郎さん媛っこ地鶏
媛っこ地鶏を愛媛県の切り札に
八幡浜市の『三瀬洋商店』はLPガス・器具の販売店、携帯電話の代理店として地元では誰もが知る存在。2代目の三瀬泰介さんは2007年に『いなほ農園』を立ち上げ、『媛っ子地鶏』の飼育・販売、肉の加工販売という異業種に参入した。一番の理由は高齢者の雇用を確保するためで「55、56歳で退職した方が5年、10年と働ける状況がなかった。何かをしないと、という話をしていて、特産品をやらなアカンなということになった...