美味しいの担い手たち

 坂本憲俊さんと娘のはる香さん
穂田琉米穂田琉米
米づくりを通して里山の風景を次世代に伝える
東温市南東部の河之内地区にある景勝地『雨滝』から数十メートルの場所に生産直売所『穂田琉(ほたる)ファーム 雨滝の倉』がある。室内には園主の坂本憲俊さんが撮った里山の美しい写真が飾られており、自家精米するための機械や低温貯蔵庫が整然と並んでいる。 河之内や周辺の則之内、山之内は三内(みうち)と呼ばれる米どころで、地域の名を冠した『三内米』は知る人ぞ知る存在。かつてはブランド化しようという動きも...

村田修三さん
糸を引く鳥生れんこんレンコン畑
部会長として魅力を各方面にアピール
今治市の焼き鳥店では肉詰めやフライといったレンコンのメニューが定番で、ほとんどが地元特産の『鳥生(とりゅう)れんこん』である。同市内の焼き鳥店に出荷している村田修三さんは「一番うまいのは天ぷら。すり身にしてエビを入れて、磯辺揚げみたいにするとおいしいよ」と教えてくれた。話を聞いているだけでもよだれが出てきそうだ。 鳥生れんこんは大正時代に高山卯三郎氏が導入したのが始まりで、水利や土壌に恵まれ...

吉田浩さん
愛南ゴールド愛南ゴールド
新たな収穫方法に取り組み、全国農業コンクールで受賞
『愛南ゴールド』は『河内晩柑(かわちばんかん)』もしくは『美生柑(みしょうかん)』と呼ばれる柑橘で、約250戸の生産者を抱える愛南町は生産量日本一を誇る。吉田浩さんが代表を務める吉田農園では13ヘクタールの園地を利用して『清見オレンジ』や『デコポン』などとともに愛南ゴールドを栽培しており、その生産量は町内屈指である。 愛南ゴールドを栽培するうえでの最大のポイントは立地だ。吉田さんは「木を植え...

松田幾弘さんとJAにしうわの宇都宮さん
真穴みかん薄い皮が特徴の真穴みかん
真穴みかんはわが町の誇り
八幡浜市の真網代(まあじろ)と穴井という集落から成る真穴(まあな)地区は、宇和海に面した陽光あふれる地域。急斜面には段々畑が広がり、この地の代表的産品である『真穴みかん』は、『温州みかん』の高級ブランドとして全国的に知られている。同地区で本格的な栽培が始まったのは1907年頃で、1967年の大干ばつも一致団結で乗り越え、現在は180戸の農家が年間8000〜9000トンのみかんを生産している。 ...

横井隆志さん
横井農園の七草横井農園の七草(すずしろ)
初春を彩る風流な習わし「七草」を手軽に
せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ。古来日本には、正月最初の「子(ね)の日」に若菜を摘む風習があった。『七草』はその風習の名残と言われ、1月7日に七草を粥に仕立て、無病息災を願いつつ食べるという風流な習わしだ。ひと昔前は野原や山裾で摘み草をしたものだが、7種類すべてを揃えることは難しく、何かしら欠けることも多かった。 近年では手軽にこの七草が手に入るようになった。...

渡部光右衛さん
ほっちょ鶏は放し飼い飼料に米を混合
定年退職を機に養鶏をスタート
東温市松瀬川の山間部で、500羽の『ほっちょ鶏』を育てている渡部光右衛(みつうえ)さんは地元出身。学生時代から牛を飼っていた兼業農家で、全盛期は100頭に達した。「牛は力が強いのでこっちが危ないでしょ」と、定年退職を機に養鶏に切り替えた。 2002年に愛媛県養鶏研究所が『伊予路しゃも』のオスと『農林系ホワイトプリマスロック』のメスを交配させた地鶏『媛っこ地鶏』はほっちょ鶏と同品種。媛っこ地鶏...

川端正仁さん
松山長なす松山長なすの畑
何カ月もかけて順々に仕立てていく喜び
『松山長なす』は『庄屋大長(しょうやおおなが)』という品種で、全長40センチを超えることもある松山市の郷土野菜。『松山長なす部会』の部会長を務める川端正仁さんは、周囲に田畑が点在する小坂在住。ナスやトマトなどの果菜類及び米を作っている。長なす栽培歴30年以上の川端さんは「長なすは何カ月もかけて、順々に仕立てていくんですね。その方が自分の身の丈に合うんですよ」と話す。瀬戸内の温暖な気候は長なすの成育...

藤渕利通さん
内子夢わいんワインのロゴは内子町長による書
至高のワインを手がけた夢追い人
自分が作ったブドウでワインを作りたい。ブドウ農家ならば誰もが夢見ることを、60代後半にして成し遂げた人がいる。愛媛で唯一のワイナリー『企業組合内子ワイナリー』の代表を務める藤渕利通さんだ。ブドウ作りと並行して2004年に農家民宿『グリーンツーリズム里山』を始め、2010年から『内子夢わいん』を世に送り出している。「世界一小さい」というワイナリーのワインは味の良さからメディアにも大きく取り上げられ、...

渡辺さんと、道の駅「みま」の高松さん
「かまどDEみま米」のセットかまどDEみま米
環境にやさしい「れんげ農法」に回帰
宇和島市三間町は南予地方を代表する米どころのひとつ。道の駅『みま』にて期間限定で行われている「かまどDEみま米」は、手軽に特産品の『みま米』を味わえる体験メニューとして人気を博している。内容は、みま米3合を自分で研ぎ、四万十川の水を入れてかまどで炊くだけ。茶碗や箸は主催者側が用意してくれる。その場で味わったアツアツごはんのおいしさに感動して、みま米のコシヒカリやあきたこまちを購入する人も多いそうだ...

兵頭肇さん
なっそ仕込み中の蔵
マニア好みのどぶろくでコンテストに入賞
宇和島市津島町岩松の『企業組合いわまつ』の代表を務める兵頭肇(はじめ)さんの本業は町の電気屋さん。店内には古いラジカセなどが飾られていて、まさに昭和レトロな雰囲気。『岩松町並み保存会』の代表でもあり、2007年に宇和島市が『どぶろく特区』に認定されたのを機に、30代半ばから60代半ばまでの同志と同組合を立ち上げた。活動の拠点はすでに廃業した西村酒造の酒蔵で、兵頭さんは「酒蔵があるのに、酒がないのは...