美味しいの担い手たち

後藤幸二さん
午後のチーズゴトウ洋菓子店
自由な発想と開拓者精神で「午後のチーズ」を全国区へ
全国的に有名な『午後のチーズ』の製造・販売を手がける『ゴトウ洋菓子店』は、菓子店の長男として生まれた後藤幸二さんが40数年前に自身の店として開店。洋菓子文化の普及にともない売り上げは右肩上がりであったが、創業から10年経った32歳の頃、本格的に洋菓子づくりを学んだことのなかったことから、自分への投資を始める。自費で東京から菓子講師を招き、レシピを学ぶという生活を10年間続けた。午後のチーズが生まれ...

赤松重厚さん、サトミさん
ひがしやまひがしやま
収入よりも作る楽しみをやりがいに
里山の原風景が残る愛南町緑丙(みどりへい)の山出(やまいだし)地区で、特産品の『ひがしやま』作りをしている赤松重厚さん、サトミさんご夫婦。自宅の前はカジカガエルが生息する川が流れ、窓越しに『山出の棚田』が見える。赤松さんの「夜はシカやイノシシがなんぼでも見える」という言葉通りに自然あふれる場所だ。 山出地区では戦中・戦後の食糧難の時代から段畑を利用してサツマイモを栽培しており、今も農業は米と...

横井隆志さん
横井農園の七草横井農園の七草(すずしろ)
初春を彩る風流な習わし「七草」を手軽に
せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ。古来日本には、正月最初の「子(ね)の日」に若菜を摘む風習があった。『七草』はその風習の名残と言われ、1月7日に七草を粥に仕立て、無病息災を願いつつ食べるという風流な習わしだ。ひと昔前は野原や山裾で摘み草をしたものだが、7種類すべてを揃えることは難しく、何かしら欠けることも多かった。 近年では手軽にこの七草が手に入るようになった。...

里芋生産者の宝利義博さん
里芋・伊予美人畑の手入れをする宝利さん
信念を貫き通した「里芋・伊予美人」ブランドの立役者
「食べたら良さはわかる」そう語る生産者の宝利義博さん(59歳)は徳島県出身。サツマイモの大産地で有名な鳴門市の生まれである。宝利家と縁あって、四国中央市土居町で根菜農家を継いだのは約30年前。故郷・鳴門でサツマイモを作る同級生に負けたくない一心で、土居町に根を張り、自分なりの成果を出そうとこれまで頑張ってこられたそうだ。 里芋・伊予美人のブランドを確立するためには、まず地域の里芋の質を底上げ...

山下由美さん
あすもランチおうちごはん あすも
故郷の味を次世代に伝える
宇和島市津島町の国道沿いにあるカフェ『おうちごはん あすも』の店内では米粉パン、スイーツ、味噌やしょうゆ、田舎風の惣菜などを販売。スタッフは代表の山下由美さんをはじめ、近郊の農家や漁家の奥様方で、みなイキイキとした表情をしている。 あすもの母体となる『津島あぐり工房』のキャッチコピーは「地域の伝統の味を残したい つなごう美味しい絆」。2003年に前身の『津島あぐり工房』を始めた時から変わらな...

堤あおいさん
どてやきおでん
父が残した店と母が守り続けた味をいつまでも
新居浜市民のソウルフード『どてやき』を提供する『堤亭』は50年以上の歴史を誇る店で、数年前から創業者の父・神四郎さんの娘・堤あおいさんが切り盛りしている。実は、あおいさんは東京を拠点に活動するベテランカメラマンだが、家族を残して単身赴任している。理由は父の残した店と、母が守り続けた『どてやき』を存続させるため。だから、愛用のカメラも東京に置いたまま、こちらでは堤亭のおかみに徹している。興味深いのは...

「太秋柿(たいしゅうがき)」をむく玉井さ
愛宕柿愛宕柿
祖父の時代から受け継がれる愛宕柿を栽培
西条市は釣り鐘状の形をした渋柿『愛宕柿』の生産量が日本一で、周桑地区とも呼ばれる旧丹原町、旧小松町、旧東予市のなだらかな扇状地のほとんどが柿園である。聖武天皇の神亀年間(724~728年)に京都愛宕から伝来したと言われており、大正元年に玉井行雄さんの祖父が柿の木を植えたのを機に周桑地区で広まった。丹原在住の玉井さんは「愛宕柿があったからこそ生きてこれた。ここらの人はだいたいそうやと思いますよ」と言...

収穫の合間にご近所の方々と
ヘイワード園地
生産量日本一を支える頼もしいおかあちゃん
西条市はキウイフルーツの生産量が日本一。小松町の山間部に位置する大郷(おおご)地区在住の黒河小百合さんは柿と並行して約30年前からもっともポピュラーな品種『ヘイワード』を栽培。自宅近くにある17アールの園地から、毎年5~6トンを収穫している。 黒河さんは「キウイは手をかければかけるほどいいものができる」という。栽培するうえで苦労しているのは「灌水(かんすい)」、つまり水やり。2013年のよう...

松田幾弘さんとJAにしうわの宇都宮さん
真穴みかん薄い皮が特徴の真穴みかん
真穴みかんはわが町の誇り
八幡浜市の真網代(まあじろ)と穴井という集落から成る真穴(まあな)地区は、宇和海に面した陽光あふれる地域。急斜面には段々畑が広がり、この地の代表的産品である『真穴みかん』は、『温州みかん』の高級ブランドとして全国的に知られている。同地区で本格的な栽培が始まったのは1907年頃で、1967年の大干ばつも一致団結で乗り越え、現在は180戸の農家が年間8000〜9000トンのみかんを生産している。 ...

井伊友博さん
麦味噌醸造中の木桶
伝統の味を守る老舗味噌店の3代目
宇和島市の老舗、それも3代目同士のコラボが話題を呼んだ『麦みそ飴』を手がけたあめ店『植村製菓』の植村仁さんが「若いのに後を継いでがんばっていると聞いていた」と絶賛するのが、同市を代表する味噌店のひとつ『井伊商店』の井伊友博さん。店の広告塔としてSNSで情報発信したり、遠路はるばる松山市のスーパーマーケットまで出向いてはトレードマークの作務衣姿で『麦味噌』の試食宣伝販売を行っている。 井伊さん...