美味しいの担い手たち

いのとんと一緒の葛原広さん(右)
紅ほっぺ紅ほっぺ
1年以上かけて苗木を丹念に育てる
愛媛県の県庁所在地・松山市郊外にあるベッドタウンで「緑あふれる町」東温市は、日本有数の生産量を誇る『裸麦』をはじめとする農業が盛ん。市内の田園地帯で生まれ育った葛原広さんは学校の教師を55歳で早期退職してから、イチゴ栽培に関しては大ベテランの奥さんと一緒に『紅ほっぺ』の栽培を始めた。 紅ほっぺは味も香りも良い『章姫(あきひめ)』と、色が濃くて香りも強い『さちのか』を交配させた大玉のいちご。紅...

横井隆志さん
横井農園の七草横井農園の七草(すずしろ)
初春を彩る風流な習わし「七草」を手軽に
せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ。古来日本には、正月最初の「子(ね)の日」に若菜を摘む風習があった。『七草』はその風習の名残と言われ、1月7日に七草を粥に仕立て、無病息災を願いつつ食べるという風流な習わしだ。ひと昔前は野原や山裾で摘み草をしたものだが、7種類すべてを揃えることは難しく、何かしら欠けることも多かった。 近年では手軽にこの七草が手に入るようになった。...

三瀬泰介さん
いなほ農園の農園長・井伊敏郎さん媛っこ地鶏
媛っこ地鶏を愛媛県の切り札に
八幡浜市の『三瀬洋商店』はLPガス・器具の販売店、携帯電話の代理店として地元では誰もが知る存在。2代目の三瀬泰介さんは2007年に『いなほ農園』を立ち上げ、『媛っ子地鶏』の飼育・販売、肉の加工販売という異業種に参入した。一番の理由は高齢者の雇用を確保するためで「55、56歳で退職した方が5年、10年と働ける状況がなかった。何かをしないと、という話をしていて、特産品をやらなアカンなということになった...

渡部光右衛さん
ほっちょ鶏は放し飼い飼料に米を混合
定年退職を機に養鶏をスタート
東温市松瀬川の山間部で、500羽の『ほっちょ鶏』を育てている渡部光右衛(みつうえ)さんは地元出身。学生時代から牛を飼っていた兼業農家で、全盛期は100頭に達した。「牛は力が強いのでこっちが危ないでしょ」と、定年退職を機に養鶏に切り替えた。 2002年に愛媛県養鶏研究所が『伊予路しゃも』のオスと『農林系ホワイトプリマスロック』のメスを交配させた地鶏『媛っこ地鶏』はほっちょ鶏と同品種。媛っこ地鶏...

収穫の合間にご近所の方々と
ヘイワード園地
生産量日本一を支える頼もしいおかあちゃん
西条市はキウイフルーツの生産量が日本一。小松町の山間部に位置する大郷(おおご)地区在住の黒河小百合さんは柿と並行して約30年前からもっともポピュラーな品種『ヘイワード』を栽培。自宅近くにある17アールの園地から、毎年5~6トンを収穫している。 黒河さんは「キウイは手をかければかけるほどいいものができる」という。栽培するうえで苦労しているのは「灌水(かんすい)」、つまり水やり。2013年のよう...

寺尾俊郎さん
石坂養鶏場の卵石原養鶏場の卵を使った卵かけごはん
名だたる菓子店が絶賛する卵を提供
いろいろな菓子店に通ううちに、材料に同じ名前が挙がることに気がついた。自家製品に自信を持ち、菓子にこだわりがある職人ほど、この名前を出す。「うちは石坂養鶏の卵を使っている」と。 『石坂養鶏場』と聞いてピンとこなくとも、卵の自動販売機の会社と言えば、県民なら「ああ」と思い出す人もいるだろう。こだわりの卵について知りたいと思い、今治市菊間町の高縄山のふもとにある同養鶏場を訪れた。社屋はログハウス...

兼岡功さん
びわ葉茶唐川びわ
ノンカフェインの薬用茶を製造
伊予市の山間部に位置する唐川地区は、200年もの歴史を誇るびわ産地である。地区の名を冠した『唐川びわ』は、まるまると太った大ぶりで柔らかい果肉が特徴だ。びわの木は樹齢70~80年、樹高にして5メートル以上に成長したものもあり、急斜面での袋掛けや摘果などの農作業は困難を極める。そのため、生産者の高齢化が進んでいくにつれ、耕作放棄のびわ園が増え始めている。 この事態を憂慮した有志が集まって結成し...

里芋生産者の宝利義博さん
里芋・伊予美人畑の手入れをする宝利さん
信念を貫き通した「里芋・伊予美人」ブランドの立役者
「食べたら良さはわかる」そう語る生産者の宝利義博さん(59歳)は徳島県出身。サツマイモの大産地で有名な鳴門市の生まれである。宝利家と縁あって、四国中央市土居町で根菜農家を継いだのは約30年前。故郷・鳴門でサツマイモを作る同級生に負けたくない一心で、土居町に根を張り、自分なりの成果を出そうとこれまで頑張ってこられたそうだ。 里芋・伊予美人のブランドを確立するためには、まず地域の里芋の質を底上げ...

 坂本憲俊さんと娘のはる香さん
穂田琉米穂田琉米
米づくりを通して里山の風景を次世代に伝える
東温市南東部の河之内地区にある景勝地『雨滝』から数十メートルの場所に生産直売所『穂田琉(ほたる)ファーム 雨滝の倉』がある。室内には園主の坂本憲俊さんが撮った里山の美しい写真が飾られており、自家精米するための機械や低温貯蔵庫が整然と並んでいる。 河之内や周辺の則之内、山之内は三内(みうち)と呼ばれる米どころで、地域の名を冠した『三内米』は知る人ぞ知る存在。かつてはブランド化しようという動きも...

渡辺さんと、道の駅「みま」の高松さん
「かまどDEみま米」のセットかまどDEみま米
環境にやさしい「れんげ農法」に回帰
宇和島市三間町は南予地方を代表する米どころのひとつ。道の駅『みま』にて期間限定で行われている「かまどDEみま米」は、手軽に特産品の『みま米』を味わえる体験メニューとして人気を博している。内容は、みま米3合を自分で研ぎ、四万十川の水を入れてかまどで炊くだけ。茶碗や箸は主催者側が用意してくれる。その場で味わったアツアツごはんのおいしさに感動して、みま米のコシヒカリやあきたこまちを購入する人も多いそうだ...