里山隊

企業組合 津島あぐり工房 山下由美さん (宇和島市)

故郷の味を次世代に伝える
山下由美さん
山下由美さん
あすもランチおうちごはん あすもあすもの加工品おうちごはん あすも

携わった里山里海グルメ

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スタッフは農家や漁家の奥様方

宇和島市津島町の国道沿いにあるカフェ『おうちごはん あすも』の店内では米粉パン、スイーツ、味噌やしょうゆ、田舎風の惣菜などを販売。スタッフは代表の山下由美さんをはじめ、近郊の農家や漁家の奥様方で、みなイキイキとした表情をしている。

あすもの母体となる『津島あぐり工房』のキャッチコピーは「地域の伝統の味を残したい つなごう美味しい絆」。2003年に前身の『津島あぐり工房』を始めた時から変わらないもののひとつ。山下さんは遠方にいる2人の娘に思いを馳せ「離れていても思い出す故郷の味を、子どもたちに残したい」と言う。新製品の大豆といりこの揚げ煮『元気もん』は「高齢になったおばあちゃんたちがもう作れないからと、私たちに託した商品です」というもので、スタッフは先人たちの味を数カ月がかりで習得した。

あすもは地産地消にこだわり、材料の野菜や米は自分たちで生産もしくは入手する。また、メインはもちろん漬け物にいたるまで、冷凍食品は一切使わず、すべて手作り。パッケージやデザインもしゃれていて、どれを見てもおいしいそうだ。

農家女性の目線で女性の自立を支援

『おうちごはん あすも』の売りのひとつでもある日替わりの『あすものおもてなしランチ』はやさしい味。この日の内訳は豆腐ハンバーグ、山下さんの畑で採れた大根で作った切り干し大根のサラダ、近くを流れる岩松川で採れたアオサと珍しいズイキが入った味噌汁など、地元の旬の野菜がたっぷりだ。

「ランチのテーマは『旬を食べきる』です。春だと菜の花ばっかりでしょ。その、ばっかりをいかに調理してお客さんに食べてもらうか。質問されたらレシピも提供します」。ランチのグラタンには米粉を使用。かつて米粉パン専門店のスタッフとして米粉の普及に努めてきた山下さんは生産者の視点で、その可能性を力説する。

「小麦はよそから入ってくるけど、米粉は日本でまかなえる。米粉は小麦粉の代わりができるので、各家庭が米粉に代えると自給率が50%くらいに上がるんです」

今後の目標は「継続すること」。津島あぐり工房のスタッフは、若い理事以外はみな女性で、山下さんは農家女性ならではの目線で女性の自立のために奮闘してきた。2009年の『明日の農山漁村を担う女性表彰』農林水産大臣賞をはじめとして、受賞歴は数知れず。「女の人って、思いついたらパッと行動できる。発想も豊かで柔軟で、いろいろな逆境に上手に対応できる。そういう力を持っていると思う」という強い信念が山下さんにあるからこそ、彼女のもとに自然と人が集うのだろう。

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