里海隊

いかだ屋 芝磯美さん (宇和島市)

食堂経営と並行して食用アコヤ貝を養殖
芝磯美さん
芝磯美さん
所有するいかだでアコヤ貝を養殖アコヤ貝の貝肉部分を使って調理アコヤ貝の塩コショウ炒め芝磯美さん(左)、一世さんご夫妻

携わった里山里海グルメ

アコヤ貝の塩コショウ炒め
シンプルに調理されたアコヤ貝の貝柱料理
あこやあげ
夫婦のアイデアから生まれた究極のエコ料理

アクセスマップ

真珠養殖で利用できないアコヤ貝を料理に活用

言葉の端々から『アコヤ貝』にかける愛情や情熱が伝わってきた。宇和島市の下波(したば)にある食堂『いかだ屋』で、宇和島の海の幸をいただいた。ご主人の芝磯美さんは海の上に食堂をつくり、夏場にはいかだの上で自慢の料理をふるまっている。しかもそのいかだでは、食用のアコヤ貝の貝柱を養殖。下降気味にあった真珠の町・宇和島の景気回復に、ひと役買っている。

「一時期に比べ、アコヤ貝の単価が下がってしまった。廃棄するアコヤ貝を食べてもらえれば、処分する費用も軽減できる」。これまで真珠の母貝として成長が小さかったり、生命力が弱いアコヤ貝はただ廃棄されるだけだった。廃棄処分の費用は1億円以上。「廃棄に莫大な費用を払わないといけないなんて」とずっと懸念していたが「母貝を食べてもらえれば、費用は軽減する」と考えるようになった。13年前、青年会議所での会合で「海のそばで料理を食べられる店があれば」との話題が上がったことをきっかけに、いかだ屋をオープン。それまでの母貝養殖とともに食用の養殖も始めた。

海の近くの食堂が一躍人気に

「アコヤ貝って真珠の玉をつくるだけのものと思っていたが、料理のしかたしだいで、こんな使い方もあると思った」。地元の人々の間ではもともと『アコヤ貝』の貝柱を食べる習慣があり、真珠を取り出した後の副産物として、手伝ってくれた人たちがおみやげで持ち帰っていた。『いかだ屋』では特別な宣伝はしなかったが、食堂が海の近くにあることや、いかだの上で食事ができるという珍しさが旅行会社などの目に留まり、徐々に県内外から観光客が訪れるようになった。

いかだ屋は予約制で、基本的に1日1組限定。夏には芝さん所有の船でクルージングをし、満天の星空観賞をすることもできる。「漁師町に来たってことを味わってもらいたい。ヨソとは全然違うということを知ってもらいたいからね」。料理の提供だけでなく、宇和島水産高と協力してハート形のせんべいやカレーを開発。医療の分野にも目を向けている。真珠の町の灯を消さないため、芝さんの精力的な活動はまだまだ続く。

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