里山隊

ひがしやま生産者 赤松さん夫妻 (愛南町)

収入よりも作る楽しみをやりがいに
赤松重厚さん、サトミさん
赤松重厚さん、サトミさん
ひがしやまひがしやま天日干し赤松さん宅の近所にある棚田

携わった里山里海グルメ

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棚田で栽培したサツマイモを手間ヒマかけて天日干し

里山の原風景が残る愛南町緑丙(みどりへい)の山出(やまいだし)地区で、特産品の『ひがしやま』作りをしている赤松重厚さん、サトミさんご夫婦。自宅の前はカジカガエルが生息する川が流れ、窓越しに『山出の棚田』が見える。赤松さんの「夜はシカやイノシシがなんぼでも見える」という言葉通りに自然あふれる場所だ。

山出地区では戦中・戦後の食糧難の時代から段畑を利用してサツマイモを栽培しており、今も農業は米とともに主流である。『ひがしやま』はサツマイモを天日干しした保存食のことで、冬になると南予地方を中心に、隣の高知県大月市でも作られており、おやつとして親しまれている。名前の由来は諸説あり、高知では「山でとれる干菓子(ひがし)だから、ひがしやま」と言われている。

山出地区では加工場ができたのを機に約20年前からグループを作り、地元の『緑新鮮市』をはじめとする産直市などに出荷。だが、生産者の高齢化にともない、地元でひがしやまの製造・販売をしているのは赤松さんの他に1軒のみとなった。

郷愁を誘う里山の味を多くの人々に

赤松さんは標高180~200メートルに位置する10アールほどの段畑でサツマイモを栽培。『マルチ栽培』と呼ばれるビニールを用いる方法で行うこともあるそうだが、赤松さんは「マルチでやらない時は草引きをマメにしないと。草を取るのが大変。あとはシカやイノシシらにイモを食べられないようにすること」と言う。

2013年は600~700キロのサツマイモを収穫。『ひがしやま』作りは12月から始まる。まず皮をむき、2、3時間ほど水につけてアクを抜く。普通の『干しイモ』が皮をつけたまま、1、2時間ほど蒸し上げるのに対して『ひがしやま』は水を入れた釜のなかで約40キロのサツマイモを8時間かけて飴色になるまで煮詰める。次に厚さ1.5センチほどの大きさにスライスして、1、2週間天日干しすると、飴色から黒色へと変化する。天候を気にしながら、出したりしまったりするのは相当な手間ヒマがかかるそうだが、そのぶんおいしさは増している。

ひがしやまはねっとりとした食感で、噛むほどに甘みが広がる。添加物を使わない自然食品ならではのやさしい味に郷愁を覚える人も多く、地元出身の首都圏在住者からの注文もある。赤松さんは「ひがしやまを作っても、入ってくるのはお年寄りの小遣い程度ですよ。でも、作る楽しみがありますからね」とやりがいを感じている。

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