里山隊

井伊商店 井伊友博さん (宇和島市)

伝統の味を守る老舗味噌店の3代目
井伊友博さん
井伊友博さん
麦味噌醸造中の木桶味噌を室(むろ)で麹を育てるコラボ商品の麦みそ飴

携わった里山里海グルメ

麦みそ飴
ほのかに香る味噌が郷愁を誘う

アクセスマップ

3代目同士でコラボ商品「麦みそ飴」を開発

宇和島市の老舗、それも3代目同士のコラボが話題を呼んだ『麦みそ飴』を手がけたあめ店『植村製菓』の植村仁さんが「若いのに後を継いでがんばっていると聞いていた」と絶賛するのが、同市を代表する味噌店のひとつ『井伊商店』の井伊友博さん。店の広告塔としてSNSで情報発信したり、遠路はるばる松山市のスーパーマーケットまで出向いてはトレードマークの作務衣姿で『麦味噌』の試食宣伝販売を行っている。

井伊さんは大学卒業後に山口県で建築設計、松山市で店舗設計の仕事に携わり、独立するつもりだったという。だが「長男ということもあったんですけど、続けてやっているのはすごい。店を潰すのもどうかなと思って。建築も建物を建てて喜ばせる。味噌屋は食べ物を作って喜ばせる。だったら継いでみよう」とモノづくりの点で共通部分を見いだし、決心した。ただ、祖父や父が手取り足取り教えてくれるようなことはなく「ウチは見て覚えろ系です。間違っていたら指摘されるくらいで」と簡単にはいかない。だが、インターネットを通じて醸造についての知識を深めるにつれ、麦味噌の魅力にひかれていく。

こだわりの天然醸造で製造

味噌は麦味噌、米味噌、豆味噌に分類され、全国的には米味噌が主流である。一方、愛媛県や山口県、九州全域では麦・大豆・塩を原材料とする『麦味噌』が主流で『井伊商店』は1958年の創業の創業以来、麦味噌ひとすじだ。

宇和島市内の店舗兼工場はひんやりとしたフロアで、醸造中の味噌が入った巨大な木桶が鎮座している。こだわりは天然醸造で、井伊さんは「悪い言い方をするとほったらかし。ただ、待つだけなんですよ」と言う。大手メーカーには温度管理できる部屋があり、微生物の発酵熟成のスピードを早めることによって約2週間でできあがり、人件費も手間もかからない。一方、天然熟成の場合は夏場で3カ月、冬場で半年を要する。無理をさせないことが大事で、添加物や防腐剤もゼロ。大手メーカーに負けていない自信がある。

井伊商店の麦味噌は50年以上に渡って、地元のみならず、全国の料理店や一般家庭で愛され続けている。その特徴は麹の香りが強く、甘みがあるということ。味噌汁にした時の口当たりも良い。

現在、店を取り仕切っているのは2代目である父親で、井伊さんはまだまだ勉強中だが「とりあえず3代目と言っておけばいろんな人から気にかけてもらえる」と、人懐っこい笑顔を浮かべた。

関連リンク
関連ファイル