里山隊

企業組合いわまつ 兵頭肇さん (宇和島市)

マニア好みのどぶろくでコンテストに入賞
兵頭肇さん
兵頭肇さん
なっそ仕込み中の蔵非売品のトートバッグ岩松の町並み

携わった里山里海グルメ

なっそ
町づくりの一環として製造されたどぶろく
ほろ酔いプリン
どぶろくの味をそのまま詰め込んだプリン

アクセスマップ

30〜60代の同志とともに企業組合を設立

宇和島市津島町岩松の『企業組合いわまつ』の代表を務める兵頭肇(はじめ)さんの本業は町の電気屋さん。店内には古いラジカセなどが飾られていて、まさに昭和レトロな雰囲気。『岩松町並み保存会』の代表でもあり、2007年に宇和島市が『どぶろく特区』に認定されたのを機に、30代半ばから60代半ばまでの同志と同組合を立ち上げた。活動の拠点はすでに廃業した西村酒造の酒蔵で、兵頭さんは「酒蔵があるのに、酒がないのは寂しい。お酒をつくりたいというのはずっと思っていたことなんですよ」と、当時を振り返る。

地域の活性化を支援する、愛媛県の『えひめ夢特区』の第1号としての補助も得て、まったくの素人によるどぶろくづくりは「第1号ということで注目されて、どんな味がわからないのに、どぶろくを知らない人にも買ってもらって、最初に投資したお金もすぐに返済できました」と幸先の良いスタートを切る。それから7年が経った今は安定期だという。各地で行われているどぶろくづくりが軌道に乗らない場所が多いなか、自分たちのどぶろくに対する自信を深めている。

四国をどぶろくのメッカに

どぶろく『なっそ』は優良な酵母としての評価が高い『愛媛酵母EK-1』の生みの親である愛媛県工業技術センターの宮岡先生の指導のもと、本来は大吟醸酒用のEK-1を使用。発酵方法も吟醸酒のようなつくり方で、米も酒専用の『松山三井(まつやまみい)』という品種である。

「だから、どうしても辛口になって吟醸酒みたいな香りが出てしまう。コンテストに出しても、すっきりしてキレもいいんだけど、どぶらくらしくないという評価で、なかなか入賞できなかった」

愛媛では東温市の『ながい』や『由紀っ娘』が『全国どぶろくコンテスト』で毎回のように受賞しており、なっそも2014年1月開催の北秋田大会で悲願の入賞を果たした。愛媛県工業技術センターの宮岡先生からは「こういうどぶろくもあるというのを分かってもらえるようになったんじゃないか」と言われたそう。作り続けた喜びを感じた瞬間でもあった。

「なっそはあっちこっちには置かないというポリシーでやってます。お金をもうける道具じゃないので、そんなに売れなくても大事に売ってくれるところで」と言うように、どぶろくの性質を理解している店でのみ取り扱ってもらっている。逆に、デパートなどの催事にはどんどん出向いて自らが宣伝している。「愛媛のどぶろくはレベルがすごく高いですよ。高知も含めて、四国はどぶろくのメッカになるかもしれないですよ」。兵頭さんの表情はモノづくりの喜びにあふれていた。

関連リンク
関連ファイル