里山隊

ブラッドオレンジ生産者 児玉 恵さん (宇和島市)

宇和島市をブラッドオレンジの一大生産地に
児玉恵さん
児玉恵さん
ブラッドオレンジブラッドオレンジ児玉さんが経営する園地ブラッドオレンジジュース

携わった里山里海グルメ

柑橘王国「飲む酢」
柑橘のおいしさをそのまま閉じ込めたサワードリンク
ブラッドオレンジラスク
職人の手腕といくつものこだわりが生み出す味
まるっぽ
ラムレーズンをサンドしたふわふわバターブッセ

アクセスマップ

栽培部会の代表として活躍

愛媛みかん発祥の地、宇和島市吉田町の児玉恵(めぐむ)さんは30年近いキャリアを誇るみかん農家の3代目で『ブラッドオレンジ栽培部会』の代表でもある。以前は在来種のポンカン、伊予柑、温州みかんが8割を占めていたが、新たな品種を模索するなかで、温暖化により宇和島市でも栽培できるようになったイタリア原産のブラッドオレンジを知る。

児玉さんは「色味の悪いものを作って売れるのか。販売の方が心配だったんですよ」と思ったものの、2004年に生産者仲間8人で栽培を始める。やがてJAの後押しもあり、マスコミに取り上げられたことで知名度も上がり、販売面での不安は一掃される。現在、宇和島市の生産者は300戸、全国シェア96%を誇る一大産地となった。

ブラッドオレンジには『タロッコ』と『モロ』という2つの代表的な品種があり、一番メジャーなタロッコは食味がいいので生食にむき、モロは赤みが強く、スイーツの材料として飲食業界でも重宝されている。栽培を始めてから10年を経て、児玉さんも「年々おいしくなってますね。とくにジュースにしたらおいしい」と、たしかな手応えをつかんでいる。さらに「味が独特よね。ブドウと山桃をミックスしたような。あと、芳香がものすごい」とも。印象的な赤い果肉はワインなどに含まれるポリフェノールの一種でもあるアントシアニンがもたらしたもので、抗酸化作用や視力回復に効果があると言われている。

収穫時期を遅らせて品質の格差をなくす

ブラッドオレンジは寒さや暑さだけでなく病気にも強い。児玉さんは「最初は赤が出なくて悩んだんよ」と言う。2009年頃からは県の予算が出たことから農林水産研究所 果樹研究センターで品質調査や栽培立証実験を行い、均一に色が出るようになった。ただ、完熟する頃にやってくる鳥の被害は深刻で、ヒヨドリが風除けの網をかいくぐってつまみ食いに来るのが悩みの種という。

ブラッドオレンジを栽培するポイントは完熟させること。30アールの園地で250本を栽培している児玉さんは「マンゴーみたいに完熟すると木から落ちちゃうんですよ。だからみんな早く穫るんだけど、そしたら味が全然違う」と言う。また、同じ宇和島市でも海からの反射熱のある沿岸部では3月から収穫するのに対して、内陸部に位置する児玉さんの園地では3月末から4月初旬にかけて収穫。「少しでも収穫を遅らせて品質の格差をなくしていこうとしています」と、ベテランならではのひと工夫をしている。

宇和島市におけるブラッドオレンジ栽培がほぼ10年がかりで軌道に乗った今、児玉さんは「あとは販売の知名度だけですね」と謙そんするが、その名は着実に広まっている。

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