里海隊

濱屋 濱田毅さん (大洲市)

インターネット販売で長浜フグを全国へ
濱田毅さん
濱田毅さん
長浜フグ注文を受けてからさばいていくトゲを取り除く皮ひき濱屋

携わった里山里海グルメ

長浜フグ
自然の恵みが育んだ天然フグ

アクセスマップ

オークションを通じてフグに目覚める

『長浜フグ』への愛情があふれ出ている。伊予灘を望む大洲市長浜はトラフグの一大生産地として知られる。明治時代創業の老舗鮮魚店『濱屋』店長の濱田毅さんは、いけすから活きのいいフグを取り出し、すばやく、ていねいにさばいていく。「天然でも一番いいものを扱っている。かなり高いレベルだと自負しています」。長年の経験で培った目で厳選し、納得のいくものだけを提供している。

全国に長浜フグを発送している濱田さんは当初、鮮魚店を継ぐ気はなかったそうで「家業を継ぐのが嫌だった。魚屋自体が好きじゃなかった」と打ち明けた。法政大学卒業後、東京で小中学生を相手に塾講師をしていたが、27歳の時に父親の病気を機に帰省。継いだ後も「宅地建物取引主任者」などの資格を取得し、不動産業を経営したいという思いを抱き続けていた。「魚屋はきつい、汚い、危険の3K。趣味の延長の感じでやっていた」。前向きに取り組めない日々が続いていたが、インターネットとの出会いが思いを変えた。

濱田さんは「ネットオークションで本を売買している時、これは家業でも生かせると思った」。インターネットで得た知識を生かし、同サイトで長浜フグなどを出品。好評を得たことから、2001年に大手ネット通販サイトから出店の依頼を受け、本格的に販売を開始した。だが「注文がガンガン来ると思っていたのに、最初は月に数万円しか売れなかった」と苦しいスタートだった。

メルマガを通じて熱い思いを発信

「顔が見えないから、相手がどんな人間なのかわからない。だから、まずは自分のことを知ってもらおうと思った」。ホームページでフグなどに関するメールマガジンを毎月配信。のちにメルマガをまとめた本『とらふぐのなみだ』も刊行した。フグへの熱い思いを文字に乗せることで、周囲にも少しずつ認知され始めた。約2年後から軌道に乗り、同時にフグへの思いも深まっていった。

現在ではインターネットでの売上が全体の半分を占めるほどになった。『長浜フグ』をはじめ、天然活魚の最新情報を毎日更新。高級料理店をはじめとする全国からの注文も定期的に受けている。一方で、町おこしの一環で発足した『長浜なんとかしようぜ委員会』の会長も務め、さまざまなイベントで長浜をPR。濱田さんは「長浜とフグの魅力を多くの人に知ってもらえたらうれしい」と笑った。愛する長浜フグへの情熱は高まるばかりだ。

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