里山隊

いなほ農園 三瀬泰介さん (八幡浜市)

媛っこ地鶏を愛媛県の切り札に
三瀬泰介さん
三瀬泰介さん
いなほ農園の農園長・井伊敏郎さん媛っこ地鶏いなほ農園付近から望む八幡浜市街媛っこ地鶏の加工品

携わった里山里海グルメ

アクセスマップ

もうけ度外視で雇用を増やすために農園づくり

八幡浜市の『三瀬洋商店』はLPガス・器具の販売店、携帯電話の代理店として地元では誰もが知る存在。2代目の三瀬泰介さんは2007年に『いなほ農園』を立ち上げ、『媛っ子地鶏』の飼育・販売、肉の加工販売という異業種に参入した。一番の理由は高齢者の雇用を確保するためで「55、56歳で退職した方が5年、10年と働ける状況がなかった。何かをしないと、という話をしていて、特産品をやらなアカンなということになった。みかんは十分あるから家畜がおもしろいかも。南予は家畜を育てるための環境がいいのよ」と語る。

三瀬さんは愛媛県の養鶏試験場で新たに開発されていた『媛っこ地鶏』に目をつける。最初に取り組んでいた大手食品会社からは「もうからないよ」と言われたものの、三瀬さんは「もうけはいい。うちは雇用を作りたい」と返し、各地を視察してイメージをつかむ。大学の同窓生であり、30年来の親交がある友人の井伊敏郎さんが2級建築士だったこともあり、農園作りを一任する。準備には1年を要し、試験場に出向いては養鶏のノウハウを習得。八幡浜市八代の山頂に『いなほ農園』を建て、まずは100羽の飼育から始めた。

抜群の飼育環境でさらにおいしく

『いなほ農園』の利点は、風通しが良く、日当たりのいい南向きという抜群の飼育環境。徹底した衛生管理のもと、現在では3000羽前後がゆとりあるスペースで飼育されている。飼料は地元の海鮮問屋提供のいりこやちりめんじゃこと、菓子メーカー提供のカステラの切れ端を与えている。カルシウム不足や食欲不振とは無縁な環境で育った『媛っこ地鶏』の肉は、適度な歯ごたえとコクのあるうま味が特徴で、全国的な知名度も上がりつつある。

三瀬さんの「鶏の需要は一定ではない。先方の景気によっても左右されるから、そのためにも加工品を」との考えから、いなほ農園では数年前から自社で加工した、くん製や焼き鳥などの『地鶏のごちそう。』をインターネットなどを通して販売している。

自社工場のスタッフは全員が60代の明るく元気な女性で、主婦ならではの意見を取り入れつつ『鶏めし』をはじめとする10種類以上の商品を開発。媛っこ地鶏の存在は雇用にもひと役買っているわけで、三瀬さんは「他はそろばん(商売)から入っているけど、うちは雇用を作ろうというところから入っている」と違いを強調する。さらに「愛媛県はみかんや野菜でがんばっているけど、媛っこ地鶏は将来、切り札になると思う。我々が努力していれば、広がっていくんじゃないかと」と意気込んでいる。

関連リンク
関連ファイル