里山隊

紅ほっぺ生産者 葛原広さん (東温市)

1年以上かけて苗木を丹念に育てる
葛原広さん
葛原広さん
紅ほっぺ紅ほっぺ紅ほっぺビニールハウス内

携わった里山里海グルメ

アクセスマップ

教師を早期退職して農家に転身

愛媛県の県庁所在地・松山市郊外にあるベッドタウンで「緑あふれる町」東温市は、日本有数の生産量を誇る『裸麦』をはじめとする農業が盛ん。市内の田園地帯で生まれ育った葛原広さんは学校の教師を55歳で早期退職してから、イチゴ栽培に関しては大ベテランの奥さんと一緒に『紅ほっぺ』の栽培を始めた。

紅ほっぺは味も香りも良い『章姫(あきひめ)』と、色が濃くて香りも強い『さちのか』を交配させた大玉のいちご。紅ほっぺを導入する以前は生産者ごとに栽培するイチゴの品種が異なっていたために、それをまとめるJAとしても一度に出荷することができなかった。そこで品種を統合しようという話になり、約10年前に10戸の生産者で紅ほっぺの試作をして、これならいけるという手応えをつかむ。最初の1年はなかなかシェアが広がらなかったものの、今や愛媛県内で販売されているイチゴの8割が紅ほっぺである。

苗木作りに尽力

『紅ほっぺ』の味の特徴は、今までにない甘みと酸味のバランス。リンゴのような食感で、適度な歯ごたえがある。葛原さんが所有する20アールのビニールハウスでは身体の負担の軽減をはじめとして、利点の多い高設栽培を取り入れることで年間約5トンを出荷している。

いちごは「苗木」がすべて。「苗半作(なえはんさく、良い苗を育てることは収穫量の半分が保証されたようなもの)」という言葉もあるが、いちごは8割、9割、苗木の段階で収穫量が決まる。しかも苗を作るのに1年以上、実るまでに1年半かかり、農家からすれば収穫するまで気の抜けない状態が続く。一番大変なのは「パック詰め」で、個数やサイズに応じた数通りの詰め方があるうえに、スピードと丁寧さを兼ね備えた扱いが要求される。それは夫人の京子さんの担当で、すべて手作業で膨大な数のパック詰めをしている。

東温市以外でも紅ほっぺを栽培している農家は存在するものの、水を管理するうえで設備投資を余儀なくされるところもあるらしい。緑あふれる町に住む葛原さんは「ここはそのまま飲める水だから、いちごが作りやすい」と胸を張る。

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