里山隊

ほっちょ鶏生産者 渡部光右衛さん (東温市)

定年退職を機に養鶏をスタート
渡部光右衛さん
渡部光右衛さん
ほっちょ鶏は放し飼い飼料に米を混合てんやわんや東温店ほっちょ鶏の料理

携わった里山里海グルメ

ほっちょ鶏の焼き鳥
食べて初めて分かるうまさの違い

アクセスマップ

牛100頭から鶏500羽に方向転換

東温市松瀬川の山間部で、500羽の『ほっちょ鶏』を育てている渡部光右衛(みつうえ)さんは地元出身。学生時代から牛を飼っていた兼業農家で、全盛期は100頭に達した。「牛は力が強いのでこっちが危ないでしょ」と、定年退職を機に養鶏に切り替えた。

2002年に愛媛県養鶏研究所が『伊予路しゃも』のオスと『農林系ホワイトプリマスロック』のメスを交配させた地鶏『媛っこ地鶏』はほっちょ鶏と同品種。媛っこ地鶏と命名される前から飼っていた渡部さんは、肉の納入先でもある焼き鳥店『てんやわんや東温店』の前店主との鶏の名前についてあれやこれやと考えていたそうだ。「東温市では石鎚おろし(石鎚山系から吹きおろす冷たい風)のことを『ほっちょ風』と呼んでいて、そういう環境のなかでも元気に育つという意味でほっちょ鶏にしたんですよ」と説明した。

ほっちょ鶏は飼育が容易で、渡部さんも「飼いやすくて元気。コストもかからない」とのこと。闘鶏に使われる軍鶏(シャモ)の系統だけに動作も機敏で、鶏どうしのケンカもさほど珍しいものではないらしい。見た目は風格があり、目つきも鋭い。

米粉パンからヒントを得て飼料に米を混合

米農家でもある渡部さんは米粉パンからヒントを得て、配合飼料に自らが作った米をもみの状態で混合している。そうすることで、たんぱく質と脂肪が落ち、身がいちだんと引き締まるそうだ。また、ブロイラーはあえて太らせることによって60日くらいで出荷しているのに対して、『ほっちょ鶏』は自由に地面の上を歩き回れる「平飼い」で140日かけて自然に太らせる。

西条市の『周ちゃん広場』や伊予市の『いよっこら』などでほっちょ鶏の精肉を販売。飲食店では『てんやわんや東温店』で、焼き鳥やたたき、手羽先、手羽元、鍋、スープを提供しており、店主の本村さんいわく「鍋が一番おいしい。うま味が一番出ている」とのこと。一番の特徴はプリプリの食感とジューシーさで、地鶏のイメージとは逆の柔らかさで女性からの人気も高い。

タヌキなどの獣害を懸念して、渡部さんは毎日農園に通っている。「こうやって鶏たちと接することが老後の楽しみですね」と語る、その顔には充実感がみなぎっていた。

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