里山隊

堤亭 堤あおいさん (新居浜市)

父が残した店と母が守り続けた味をいつまでも
堤あおいさん
堤あおいさん
どてやきおでんシメはラーメンで堤亭

携わった里山里海グルメ

どてやき
決め手は味噌ベースの秘伝だれ

アクセスマップ

写真を撮る時と同じように気持ちをこめて

新居浜市民のソウルフード『どてやき』を提供する『堤亭』は50年以上の歴史を誇る店で、数年前から創業者の父・神四郎さんの娘・堤あおいさんが切り盛りしている。実は、あおいさんは東京を拠点に活動するベテランカメラマンだが、家族を残して単身赴任している。理由は父の残した店と、母が守り続けた『どてやき』を存続させるため。だから、愛用のカメラも東京に置いたまま、こちらでは堤亭のおかみに徹している。興味深いのは『どてやき』を焼く時も、写真を撮る時も、気持ちは同じだということだ。

「レンズを向けて撮るということは、その人たちの一瞬一瞬を撮るということ。私は美しいもの、やさしいものという思いをこめて彼らを撮影しているんですよ。どてやきも一緒。お客さんにおいしいと言われるように、焼いて当たり前ではなく、気持ちをこめて焼かないと」

時間やタイミングを見計らいながら焼く

牛の頬肉を材料とする『どてやき』は、焼き上がるまでにけっこうな時間を要する。焼けているように見えても中身は焼けていないこともあり、それを食べてもおいしくはない。母親の千代子さんが切り盛りしていた時代に、せっかちなお客さんから「焼けてなくていいから出して。100万円出すから」と言われたそうだ。

「母は100万円出されても売らないと言ったんです。なぜかって言うとおいしくないものを出したら、次にお客さんに来てもらえなくなるから。たとえば、下手な写真を撮られたら、次は仕事を頼まないでしょう。同じことですよ」

カメラマンは1枚のプリントを仕上げるために、1枚1枚に神経を集中させて何十枚と焼く。あおいさんも、どてやきが一番おいしく仕上がるように、時間やタイミングを見計らいながら焼いている。幼少期から親しんできた味を、両親から受け継いだ伝統の味を守り、愛情込めて焼き上げていく。

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