里山隊

ゴトウ洋菓子店 後藤幸二さん (四国中央市)

自由な発想と開拓者精神で「午後のチーズ」を全国区へ
後藤幸二さん
後藤幸二さん
午後のチーズゴトウ洋菓子店かわいらしいクマのクッキーゴトウ洋菓子店

携わった里山里海グルメ

午後のチーズ
ベイクでもないスフレでもない新感覚のチーズケーキ

アクセスマップ

チーズが苦手な人でも食べられるものを

全国的に有名な『午後のチーズ』の製造・販売を手がける『ゴトウ洋菓子店』は、菓子店の長男として生まれた後藤幸二さんが40数年前に自身の店として開店。洋菓子文化の普及にともない売り上げは右肩上がりであったが、創業から10年経った32歳の頃、本格的に洋菓子づくりを学んだことのなかったことから、自分への投資を始める。自費で東京から菓子講師を招き、レシピを学ぶという生活を10年間続けた。午後のチーズが生まれた背景にあるのはパティシエとしての飽くなき探究心で、本人も「勉強はやめたらいかん。常に固定観念を取り除いて、何でも吸収していかないと」と語る。

15、16年前、チーズを使ったお菓子が売れるというデータを元に、チーズケーキの開発に着手。目指したのはベイクドとスフレタイプの中間の食感。軽めだけれど、1個食べれば満足できるもの。しかも、当時流行し始めていた「半熟」という、世のチーズケーキのいいとこ取りとも言えるなんともぜいたくなものであった。後藤さんは生のチーズが大の苦手だったため、従業員に試食してもらって理想に近づけた。「自分がチーズを嫌いだからこそ、そういう人でも食べられるものを」という逆転の発想と、従業員の協力から生まれた午後のチーズは、メディアの追い風もあり、万人を魅了した。

進化を重ねながら原点回帰

『午後のチーズ』のヒットについて、後藤さんは「いいお菓子を作ることを続けていて、その結果、午後のチーズという大物を釣り上げた」と、長年の努力のたまものであることを強調する。こだわりについては、某企業のロゴマークがここ数十年で少しずつ変化していることを例に挙げ「お客さんの味覚が進化しているんだから、こっちも進化しないと」と前向きだ。過去に、材料を全面的に見直し、卵、牛乳、バターに高級品を使用したことがある。ところが試食してみると味が違う。本来のパンチがない。

「チーズが主役なのに、みんなが主役になって味がバッティングしている。メインのチーズを生かすために、卵やバターはちょっと控えたほうがいい。それに気づいて、元に戻しました」

原点回帰してからは時代の流れで甘さを控えるように努め、オーブンから出したケーキを熱いまま瞬時に冷却する機械を導入。しっとり感を実現することで、おいしさは一段と増した。ケーキづくりの原動力となるのは自由な発想と開拓者精神。後藤さんは今もなお、お菓子づくりの最前線に立ち続けている。

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