里海隊

相原海産物店 相原克俊さん (伊予市)

ムロアジを使った白い削り節を製造
相原克俊さん
相原克俊さん
ムロアジの削り節1台に10枚の刃が備わる削り機ムロアジの中骨を1本残らず取り除く伊予灘の潮風を浴びて天日干し

携わった里山里海グルメ

ムロアジの削り節
絹のように滑らかな白い削り節

アクセスマップ

サラリーマンから削り職人に転身して2代目に

長年の付き合いになる相棒の削り機をさわりながら、相原克俊さんはほほえんだ。「苦労ばかりですけど、ウチの削り節じゃないとダメと言ってくださるお客さんがいますからね」。『相原海産物店』の2代目として家業を継いでから、27年が過ぎた今も元気そのものだ。父で先代の冨夫さんから受け継いだ情熱を日々、看板商品である『ムロアジの削り節』の製造に注いでいる。

日本有数の削り節メーカーが拠点を置く伊予市で生まれ育った相原さんは、小さな頃から当たり前のように削り節にふれてきた。相原海産物店は同市内の削り節メーカーに勤めていた冨夫さんが脱サラをして、1965年に開業。漁獲量が少ないことから、大手メーカーがあまり扱っていなかったムロアジに注目し、削り節の製造に力を入れた。

相原さんは20代の頃、酒造会社でサラリーマンをしていたが、冨夫さんが高齢になったために、会社を辞めて削り節職人に転身。冨夫さんは主に営業・配達に時間を割き、相原さんは積極的に加工場に入り、理想のムロアジの削り節に近づくための製造に取り組んだ。

職人技と言える100分の数ミリ単位の刃の微調整

相原さんの最も重要な仕事は刃の調整だ。創業当時から導入している4台の削り機を現在でもフル稼働させており、1台につき10枚ある刃は1日も欠かさず手入れしている。削り節の種類や厚さによって機械を使い分け、100分の数ミリ単位という刃の微調整を繰り返す毎日。1ミリでも狂えば、厚さが全然違うものになってしまう。簡単には真似のできない職人の技を身に着けた。

削る前にひと工夫することで、「白い削り節」と呼ばれる『ムロアジの削り節』は花のようにフワフワとなる。相原さんは「焼くとまではいかないが、七輪であぶる。そうすると、削る時にきれいに花が伸びるんです」と教えてくれた。まるで絹布のような白い削り節ができあがる。

かつて、伊予市内には個人商店が15店舗前後あったというが、輸入品の増加や大手メーカーの台頭もあり、現在では数店舗のみ。そんな厳しい時代だからこそ、相原さんは独自の味を生み出していこうとしている。実際、ムロアジの削り節に惚れ込み、扱っている料理店や販売店は多い。「手間はかかるけど、お客様に喜んでいただける商品をつくり続けたい」。責任感を喜びに変えて、相原さんは魂を込めて削り続ける。

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