里山隊

蔵元屋 村上雄一さん (松山市)

愛媛県の地酒をお手頃な価格でメニュー化
村上雄一さん
村上雄一さん
蔵元屋愛媛県の地酒各種壁一面の冷蔵庫蔵元屋

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居酒屋でもない小売店でもない新しい場所を提供

松山市の中心街、路面電車が行き来する一番町。20003年10月1日、日本酒の日に愛媛の地酒のアンテナショップ『蔵元屋』がオープンした。居酒屋でもなく、小売り店でもない新しいスタンスの店。愛媛県産の地酒のみを取り扱うワンコインバーとして、店長の村上雄一さんらが切り盛りしている。

県内25銘柄の150種類の地酒を立ち飲みスタイルで、1杯100円から手軽に味わえる。しかも12時開店、21時閉店と飲み屋では珍しい営業時間帯で、単なる飲み屋とは一線を画す。採算度外視に見えるが、日本酒のファンをつくるため、蔵元とお客さんの接点の場として愛媛県酒造協同組合によって設立された。酒造組合が経営している、日本で唯一の日本酒のアンテナショップでもある。

店内壁面には名前を書いた木札が張り出されている。これは「段」を獲得した酒豪たちの名札。スタンプカード1枚、県下の銘柄を全制覇すると初段。カードの枚数で段が上がっていく。なんと師範まであり、およそ600人の猛者が名を連ねる。「天下無双」の段位が誕生したこともあるそうで、違った形で日本酒を楽しめるように、ひと工夫している。

店奥の壁は一面の冷蔵庫で、各種酒がストックされている。カウンターには熱燗用のアルミ壺(かんどうこ)があり、自分の適温で好みの酒を味わえると、かゆいところに手が届く心配り。おつまみも『二名煮(ふたなに)』、『宇和島じゃこ天』など県内産の海産物をチョイス、しかもリーズナブル。日本酒ファンのみならず、観光客が引きも切らないのは、手軽に愛媛の味を楽しめるからだろう。

地酒を通じて新しいつながりを築いていきたい

村上さんは大洲市出身の36歳、愛媛県の地酒に関することなら、どんなことでもアドバイスしてくれると人気の名物店長だ。日本酒それぞれの味の違いについて「東予、中予、南予と、愛媛県内でも、水だけで味は変わってきます。それが分かりやすいのが愛媛県の統一銘柄『しずく媛』。同じ醸造米を使い、製法は各蔵元に任せた日本酒です。同じ原料米でも場所と作り手、水の違いでこれだけ味が違うというのを自分の舌でたしかめてほしい」と教えてくれた。

メニューにも『飲み比べセット』があり、テーマを決めて少量ずつ酒の飲み比べができる。醸造米の違いを確かめ、吟醸酒を何点か飲み比べるなど、酒好きも納得の趣向を凝らしたメニューだ。もちろん大吟醸の飲み比べもできるようにしている。

『蔵元屋』では屈指の地酒に精通した知識の持ち主である村上さんは「愛媛の酒は旨口系。白ワインのような日本酒が増えているので、苦手な方でも飲みやすいお酒が見つかるはずですよ」と勧めてくれた。数人からでもよし、1人でふらりと立ち寄るもよし。知らない者どうしが酒友だちとなって、新しいつながりが増えていく。そんな関係を多く築いていくため、村上さんはこれからも精力的に動いていくつもりだ。

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