里山隊

石坂養鶏場 寺尾俊郎さん (今治市)

名だたる菓子店が絶賛する卵を提供
寺尾俊郎さん
寺尾俊郎さん
石坂養鶏場の卵石原養鶏場の卵を使った卵かけごはん石原養鶏場の卵石原養鶏場の卵自動販売機

携わった里山里海グルメ

鬼瓦もなか
味にも形にもこだわった厄除けもなか

アクセスマップ

卵の自動販売機設置でも有名に

いろいろな菓子店に通ううちに、材料に同じ名前が挙がることに気がついた。自家製品に自信を持ち、菓子にこだわりがある職人ほど、この名前を出す。「うちは石坂養鶏の卵を使っている」と。

『石坂養鶏場』と聞いてピンとこなくとも、卵の自動販売機の会社と言えば、県民なら「ああ」と思い出す人もいるだろう。こだわりの卵について知りたいと思い、今治市菊間町の高縄山のふもとにある同養鶏場を訪れた。社屋はログハウス風のかわいらしい建物、隣接する卵の自動販売機が目印だ。

まずは、卵の質をたしかめるために、器に卵を割り入れる。高く盛り上がるオレンジ色かがった黄味、さらに白身も黄色を帯びたゼリー状の濃厚卵白と薄い色の水様卵白の計3段の層になっている。卵は古くなると、この濃厚卵白が平たんになり、卵白が水のように薄く広がる。卵黄も盛り上がりを失い、破れやすくなる。

だが、石坂養鶏場の卵は箸で挟んで持ち上げることができる。ゆっくりと黄味が持ち上がり、そのあと白身も吊られて上がっていく。卵を溶こうとして箸でかきまぜても、なかなか卵白が卵黄と混ざらない。黄味が器の中で、そのままの形で逃げるほどの弾力がある。生みたてだからなのか、明らかに量販店の安売りの卵とは違うようだ。

「鶏の福祉」をいつも念頭に

『石原養鶏場』2代目社長の寺尾俊郎さんは、物心ついた時から鶏と生活していたという。11ヘクタールの敷地内でおよそ17万羽の卵用鶏と4万羽のヒヨコを飼育している。農場を引き継いだ当時は、親鳥が4万羽。現在、農場の規模はおよそ4倍になった。

「鶏は食べたものすべての栄養素を卵に移行させるんですよ」と寺尾さん。だからこそ、鶏の健康と安全に気を使い、鶏舎に最新式の空気清浄器を導入。飼料店に細かく飼料のオーダーを出す。オレンジがかった鮮やかな黄味を生み出すには、トウモロコシが主体の飼料にパプリカを配合することが秘けつだと教えてくれた。

卵の全国発送もしている。これは送料を別途支払っても、ここの卵が食べたいという人がいる証明だろう。「神戸から注文してくれるお客さんは、到着したらすぐにでも食べたいと、ごはんを炊いて待ってくれているそうですよ」と、寺坂さんは相好を崩す。「鶏の福祉」をいつも念頭に置いているという、その思いは愛媛の食を支え続けている。

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