里海隊

段畑を守ろう会 山下憲穂さん (宇和島市)

サラリーマンから水荷浦馬鈴薯づくりへ。芋焼酎の生産と段畑の維持に尽力
山下憲穂さん
山下憲穂さん
段酌海を望む段畑で水荷浦馬鈴薯を生産NPO法人「段畑を守ろう会」事務局段畑下の「だんだん茶屋」

携わった里山里海グルメ

段酌
段畑から生まれたフルーティな香りのジャガイモ焼酎

アクセスマップ

馬鈴薯を有効利用するため焼酎づくりを開始

天空へと続く段畑を見上げながら、胸に秘める思いを口にした。「400年近くの歴史がある、この畑を残していきたいという気持ちは強い。荒らすわけにはいかない」。NPO法人『段畑を守ろう会』の理事長・山下憲穂さんは『水荷浦馬鈴薯(みずがうらばれいしょ)』の栽培に取り組み、同時に芋焼酎『段酌(だんしゃく)』の製造・販売も手がけている。

「農協で所長をしていた時にも、段畑をどうにかしなければという話はしていた」。山下さんはサラリーマン生活を送りながら、二足のわらじで馬鈴薯づくりをしていた。2000年に地元の有志が集まり「段畑を守ろう会」を結成。山下さんは定年退職後、同NPOの監事や副理事長などを歴任し、2012年4月に理事長に就任した。

「もっと遊子(ゆす)をPRしたいのと同時に、芋を捨てなくていいようにという気持ちから焼酎をつくり始めた」。日を浴びて青くなった馬鈴薯は商品として出荷できず、廃棄処分をしていたそうだ。何か有効な手段はないかと考えている時、焼酎づくりへとたどり着いた。「水荷浦の馬鈴薯は普通のものよりもでんぷんの量が多いから、青くても大丈夫」という利点を生かし、焼酎づくりを開始。2007年に「段酌」を販売し始めた。

段畑維持へ後継者育成に意欲

通常の芋焼酎と違い、クセがない。フルーティな香りがすることから、女性にもファンが多い。初年度は5000本、翌年以降は3000本を販売している。生産量が少なく「販売に苦労している」そうだが、根強いファンに支えられ、製造を続けている。

山下さんの悩みの種は、後継者が不足していること。現在、馬鈴薯づくりに携わっている人の平均年齢が69.9歳。「10年後にどうなっているのか、とみんなで話している。歴史を守っていくことが課題であり、夢です」。重要文化的景観に指定された段畑を未来の子どもたちにも受け継いでいきたい。山下さんのボルテージは高まるばかりだ。

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