美味しいの担い手たち

 坂本憲俊さんと娘のはる香さん
穂田琉米穂田琉米
米づくりを通して里山の風景を次世代に伝える
東温市南東部の河之内地区にある景勝地『雨滝』から数十メートルの場所に生産直売所『穂田琉(ほたる)ファーム 雨滝の倉』がある。室内には園主の坂本憲俊さんが撮った里山の美しい写真が飾られており、自家精米するための機械や低温貯蔵庫が整然と並んでいる。 河之内や周辺の則之内、山之内は三内(みうち)と呼ばれる米どころで、地域の名を冠した『三内米』は知る人ぞ知る存在。かつてはブランド化しようという動きも...

渡辺秀典さん
「あらくれポークソーセージ」赤身がぎっしり詰まっていて歯ごたえもある
嫌われ者のイノシシを捕獲して商品化
自然が与えてくれた命の大切さを知っているからこそ、おいしく食べたいという思いがある。瀬戸内海に浮かぶ今治市・大三島の観光農園『おみやげ大心』代表の渡辺秀典さんは柑橘栽培のかたわら、任意団体『しまなみイノシシ活用隊』会長として活動。大三島や伯方島に生息するイノシシを捕獲して『あらくれポークソーセージ』などの商品を製造・販売している。 大三島にはかつて、イノシシが住んでいなかったそうだが、約8年...

山本さん一家
朝しぼりたての牛乳ミルク園
標高1200メートルで味わえる幸せ
愛媛と高知の県境に位置する『四国カルスト』は日本3大カルストのひとつ。全長25キロ、標高1100〜1400メートルと日本一の規模を誇る。カルストならではの石灰岩が点在するダイナミックな景色が広がり、春になれば牛の放牧が始まる。夏は県内外から観光客が押し寄せる一方で、冬は雪に閉ざされるため、店舗はすべて休業する。 西予市野村町大野ケ原の標高1200メートルにある『ミルク園』の店主を務める山本真...

左から稲葉さん、徳島さん、酒井さん
マハタぷるるん丼マハタのアラから「煮こごり」をつくる
地元産の高級魚・マハタを使って「マハタぷるるん丼」を考案
料理にかける情熱は誰にも負けない。そんなプライドが表情から見て取れた。「ぷるるん、できあがりました!」、「ごはん、炊けました!」と、大きな声が実習室に響きわたる。宇和島水産高校水産食品科の3年生3人が『マハタぷるるん丼』の秋バージョンづくりに取り組んでいた。2013年11月に開催の『第2回ご当地!絶品うまいもん甲子園』出場に向け、最後の仕上げに入っていた。 「マハタは愛情をこめて育てられてい...

西村孝子さん
レモン懐石青々と実ったレモン
青いレモンの島で愛媛県初の農家レストランを経営
レモンへの愛情を料理に注いでいる。瀬戸内海に浮かぶ上島町・岩城島は「青いレモンの島」と呼ばれ、島を歩けばレモン畑がいたるところに広がっている。島の西部にある農家レストラン『でべそおばちゃんの店』では、代表の西村孝子さんら陽気なおばちゃんたちが『レモン懐石』をはじめとするレモン料理をふるまってくれる。「農家レストランを経営することは私の長年の夢だったから」。そう話す西村さんの目は母のようにやさしかっ...

岡崎晋也さん
「はなが牛」の本みすじステーキレストラン
父の偉大さを再認識して家業を継承
西予市宇和町の『ゆうぼく』の代表を努める岡崎哲さんは北海道での不動産屋経営を経て、故郷で牧場を始めた。現在は牧場の他に、加工肉の売店、くん製工房、レストランを経営。岡崎さんの息子である晋也さんは化学会社のエンジニアとして県外で働いていたが、父親の要望で2013年2月に帰郷し、売店とくん製工房、レストランのマネジメントをしている。本当はUターンするつもりはなかったそうだが「社会の流れがわかってきて、...

ブリをバーナーであぶる足立さん
熱アツ!ブリさつま冷えひえ!カツオしぐれ
愛南町のご当地グルメコンテストで3連覇
やさしい笑顔のなかに、王者の風格が見え隠れしていた。『お食事処なにわ』の若女将・足立ゆかりさんは、愛南町の食材を活用した新しいご当地グルメを開発する『愛なんうまいもんコンテスト』で3大会連続優勝を果たした。「愛南町のトップにいかないと、という気持ちがあった。3回とも大変でしたね」。重ねてきた苦労を思い出し、苦笑いした。 2012年2月の第1回大会では地元・久良(ひさよし)のブリを使用した『熱...

「太秋柿(たいしゅうがき)」をむく玉井さ
愛宕柿愛宕柿
祖父の時代から受け継がれる愛宕柿を栽培
西条市は釣り鐘状の形をした渋柿『愛宕柿』の生産量が日本一で、周桑地区とも呼ばれる旧丹原町、旧小松町、旧東予市のなだらかな扇状地のほとんどが柿園である。聖武天皇の神亀年間(724~728年)に京都愛宕から伝来したと言われており、大正元年に玉井行雄さんの祖父が柿の木を植えたのを機に周桑地区で広まった。丹原在住の玉井さんは「愛宕柿があったからこそ生きてこれた。ここらの人はだいたいそうやと思いますよ」と言...

相原克俊さん
ムロアジの削り節1台に10枚の刃が備わる削り機
ムロアジを使った白い削り節を製造
長年の付き合いになる相棒の削り機をさわりながら、相原克俊さんはほほえんだ。「苦労ばかりですけど、ウチの削り節じゃないとダメと言ってくださるお客さんがいますからね」。『相原海産物店』の2代目として家業を継いでから、27年が過ぎた今も元気そのものだ。父で先代の冨夫さんから受け継いだ情熱を日々、看板商品である『ムロアジの削り節』の製造に注いでいる。 日本有数の削り節メーカーが拠点を置く伊予市で生ま...

芝磯美さん
所有するいかだでアコヤ貝を養殖アコヤ貝の貝肉部分を使って調理
食堂経営と並行して食用アコヤ貝を養殖
言葉の端々から『アコヤ貝』にかける愛情や情熱が伝わってきた。宇和島市の下波(したば)にある食堂『いかだ屋』で、宇和島の海の幸をいただいた。ご主人の芝磯美さんは海の上に食堂をつくり、夏場にはいかだの上で自慢の料理をふるまっている。しかもそのいかだでは、食用のアコヤ貝の貝柱を養殖。下降気味にあった真珠の町・宇和島の景気回復に、ひと役買っている。 「一時期に比べ、アコヤ貝の単価が下がってしまった。...