美味しいの担い手たち

笑顔のうわうみ漁協戸島女性部のみなさん
戸島鰤定食炙ブリ丼定食
「戸島一番ブリ」の地産地消を目指してさまざまなブリ料理を提供
戸島のことを、たくさんの人に知ってもらいたい。すべてはそんな強い思いから始まった。2013年10月、宇和島市恵美須町2丁目商店街にブリ専門店『鰤(ブリ)料理 とじま亭』が開店した。宇和島港の沖合に浮かぶ戸島に拠点を置く『うわうみ漁業協同組合 戸島支所女性部』のメンバーが同島特産『戸島一番ブリ』の消費拡大を目指し、愛情を込めた料理を提供している。 「戸島の父ちゃんたちが育てたブリを食べてもらい...

曽根潤さん
かめそばを調理する曽根さんかめそば
伝説の「かめ」のそばを復活させた元警察官
やさしい笑顔の奥に、自信とプライドが見え隠れする。松山市の飲食店街の一角に、赤いのれんが目印の飲食店がある。『かめそば じゅん』。店主の曽根潤さんは店の奥で看板メニューの『かめそば』を慣れた手つきでつくっていた。ソース焼きそばでもない、中華あんかけそばでもないという不思議な食感のそば。日本じゅう探しても、この店でしか味わえない一品だ。曽根さんの味を求めて訪れるお客さんのために、手を休めることはなか...

兼岡功さん
びわ葉茶唐川びわ
ノンカフェインの薬用茶を製造
伊予市の山間部に位置する唐川地区は、200年もの歴史を誇るびわ産地である。地区の名を冠した『唐川びわ』は、まるまると太った大ぶりで柔らかい果肉が特徴だ。びわの木は樹齢70~80年、樹高にして5メートル以上に成長したものもあり、急斜面での袋掛けや摘果などの農作業は困難を極める。そのため、生産者の高齢化が進んでいくにつれ、耕作放棄のびわ園が増え始めている。 この事態を憂慮した有志が集まって結成し...

左から稲葉さん、徳島さん、酒井さん
マハタぷるるん丼マハタのアラから「煮こごり」をつくる
地元産の高級魚・マハタを使って「マハタぷるるん丼」を考案
料理にかける情熱は誰にも負けない。そんなプライドが表情から見て取れた。「ぷるるん、できあがりました!」、「ごはん、炊けました!」と、大きな声が実習室に響きわたる。宇和島水産高校水産食品科の3年生3人が『マハタぷるるん丼』の秋バージョンづくりに取り組んでいた。2013年11月に開催の『第2回ご当地!絶品うまいもん甲子園』出場に向け、最後の仕上げに入っていた。 「マハタは愛情をこめて育てられてい...

大野覚男さん
ぼっちゃん島あわび波状の板にへばりつくぼっちゃん島あわび
日本で指折りのアワビを育てる元大工
豪快な笑いが、いかにも海の男らしい。松山市の沖合に浮かぶ忽那(くつな)諸島にある怒和島。『松山マドンナ会』の代表を務める大野覚男さんは日本でも指折りの高級品質と呼ばれる『ぼっちゃん島あわび』を生産している。故郷の海でアワビを育て始めてから20余年。まるで子どものようにアワビを抱えながら「理想通りの立派なアワビになったら、そりゃうれしい」と、また笑った。 大野さんは高校卒業後、松山市や大阪府内...

藤田晴彦さん
ナチュラルチーズカリー店頭ではカレールーの煮込み日数を表示
北条に恋した元ミュージシャンがカレー店を経営
美しい風土への愛情を料理に注いでいる。野生の鹿が住む鹿島を望む松山市北条。JR伊予北条駅から歩いてすぐの場所に、カレー専門店『CURCOVA(カルコバ)』がある。店内に入ってみると、坂本龍馬をほうふつとさせる風ぼうの男性がカレールーを煮込んでいた。元ロックバンド『THE COKES(ザ・コークス)』のボーカリストとして活躍した藤田晴彦さんだ。現在はラジオのパーソナリティなどをしながら、仲間と一緒に...

いのとんと一緒の葛原広さん(右)
紅ほっぺ紅ほっぺ
1年以上かけて苗木を丹念に育てる
愛媛県の県庁所在地・松山市郊外にあるベッドタウンで「緑あふれる町」東温市は、日本有数の生産量を誇る『裸麦』をはじめとする農業が盛ん。市内の田園地帯で生まれ育った葛原広さんは学校の教師を55歳で早期退職してから、イチゴ栽培に関しては大ベテランの奥さんと一緒に『紅ほっぺ』の栽培を始めた。 紅ほっぺは味も香りも良い『章姫(あきひめ)』と、色が濃くて香りも強い『さちのか』を交配させた大玉のいちご。紅...

藤渕利通さん
内子夢わいんワインのロゴは内子町長による書
至高のワインを手がけた夢追い人
自分が作ったブドウでワインを作りたい。ブドウ農家ならば誰もが夢見ることを、60代後半にして成し遂げた人がいる。愛媛で唯一のワイナリー『企業組合内子ワイナリー』の代表を務める藤渕利通さんだ。ブドウ作りと並行して2004年に農家民宿『グリーンツーリズム里山』を始め、2010年から『内子夢わいん』を世に送り出している。「世界一小さい」というワイナリーのワインは味の良さからメディアにも大きく取り上げられ、...

兵頭肇さん
なっそ仕込み中の蔵
マニア好みのどぶろくでコンテストに入賞
宇和島市津島町岩松の『企業組合いわまつ』の代表を務める兵頭肇(はじめ)さんの本業は町の電気屋さん。店内には古いラジカセなどが飾られていて、まさに昭和レトロな雰囲気。『岩松町並み保存会』の代表でもあり、2007年に宇和島市が『どぶろく特区』に認定されたのを機に、30代半ばから60代半ばまでの同志と同組合を立ち上げた。活動の拠点はすでに廃業した西村酒造の酒蔵で、兵頭さんは「酒蔵があるのに、酒がないのは...

白石寍美さん
白いも白いも
小さな島で息づいている大きな使命感
新居浜市の沖合にある新居大島は周囲8キロ、人口約280人の小さな島。のどかな雰囲気の同地の特産品はサツマイモの一種でもある『白いも』で、同地では『七福芋(しちふくいも)』のブランド名で展開している。新居大島での生産量は年間数十トンと流通している数も少ないため『幻の芋』とも呼ばれている。 新居大島では約15年前から島を挙げて白いも栽培に取り組んでいるが、現在は40戸ほどで半分以上の生産者が80...