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スイーツ

五色おはぎ (松山市)

戦後60年余り、市民に愛され続ける母の味
五色おはぎ
五色おはぎみよしの みよしの 中沢朱花(あやか)さん
五色おはぎ

売り切れ御免の人気和菓子

1945年(昭和20年)、松山大空襲によって繁華街・大街道は灰じんに帰した。その4年後、二番町に甘味処『みよしの』は開店した。終戦の翌年には三越松山店が開設するなど、焼野原にもぽつぽつと復興の兆しが見えてきていたころだが、まだまだ砂糖も十分手に入らない時代。創業者の杉野史枝さんは、闇市で砂糖を仕入れ、七輪であずきを炊いたそうだ。

史枝さんが、当時病気の夫に代わって一家の家計を支えるべく始めた小さな甘味処は、半世紀を経た今も根強い人気がある。晩年まで毎日店番を続けた史枝さんだったが、現在は代替わりして、実娘の中沢朱花(あやか)さんが店を取り仕切る。

背の低いガラス戸を開け、腰をかがめて店内に入ると、かっぽう着姿の朱花さんが迎えてくれる。鴨居が低い。頭上注意の張り紙があるが、昭和のころにはこれくらいの戸の高さが普通だったのかもしれない。

とある芸能人が松山に来る度に買いに来るというみよしのの『五色おはぎ』は、売り切れ御免。ひとつひとつ手作りで丸め、あんやきな粉をていねいにまぶしていくから、数に限りがある。

薄紫色のあんこはこだわりの色

『五色おはぎ』はこしあん、つぶあん、ごま、きなこ、青のりの5色。ごまは炒りごまの香ばしい香りが鼻孔をくすぐる。こしあんはきめが細かく滑らかで、あずき特有の黒色が淡く薄紫色に見える。あずきを炊くときにアクを徹底的に抜くからだ。
ただ、アクを抜きすぎるとあずき自体の風味も抜けるので、その兼ね合いが難しいそうだ。

今は亡き史枝さんは、自分の炊いたあんこに自信があり、アンパンをもらっても、そのあんこを入れ替えて食べたという逸話がある。あんこの炊き方は、みよしののおいしさの秘密だ。

昔の家庭で作られていたような懐かしい小ぶりのおはぎは、飽きが来ず、いくらでも食べることができる。
「親子3代に渡るお客さんや、昔からの味を覚えているお客様が多いので、創業当時の味を変えないように。評判を聞いてわざわざ足を運んでくれたお客様の期待を裏切らないように」

朱花さんは母の味を自分の手元で再現している。
ここに注目!
大人気の五色おはぎは、平日でも14時ごろには売り切れてしまう。お盆やお彼岸は特別にたくさん作るそうだが、予約しておいた方が無難。
商品データ こしあん、つぶあん、ごま、きなこ、青のり
店舗名 みよしの
住所 愛媛県松山市二番町3丁目8-1
営業時間 11:00~17:00
定休日 水曜日
TEL 089-932-6333
FAX
URL
その他 伊予鉄道城南線大街道駅から223メートル

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