里山隊
スイーツ

つるの子 (松山市)

復刻の名品、卵を模した上品な菓子
つるの子
つるの子なかには黄味を模したクリームが封入西岡菓子舗西岡さん親子
つるの子

今はなき老舗のお菓子を再現

松山市道後一万は道後温泉にほど近い町だ。ひめぎんホール辺りの電車通りは、右折にも苦労するほど交通量が多い。しかし、1本裏通りに入ると、昔ながらの静かな住宅街がひろがり、道幅も狭く、どの車も対向車に配慮しながらゆっくりと運行する。

元々は住宅だったという『西岡菓子舗』は、桧皮(ひわだ)葺きの軒先に藍染ののれんがかかる、小さな店舗。目の前の小道は通学路なのだろう、小学生が元気な挨拶をしながら歩いていき、店番の奥さんが手を振り返す。

『全国菓子大博覧会食糧庁長官賞』受賞の銘菓『つるの子』は卵そっくりのお菓子だ。卵白をメレンゲにし、ゼラチンで固めた白身に見立てた生地のなかに、卵黄をイメージした鮮やかな黄色のクリームがとろりと封入される。繊細な表情のやさしい味。

口に入れるとすぐ溶けてしまうはかない舌ざわりは、他にたとえることのできないもの。餅とり粉をかすかに刷いた肌は幼児の頬のように柔らかで、てのひらで押しつぶしてしまいそうだ。

口どけ柔らか上品なお菓子

上品な味とめでたい名前もあいまって、西岡の『つるの子』はお茶菓子として、婚礼の引き出物など慶事のお菓子として、根強い人気を誇っている。紅白まんじゅうとして用いられることもあるため、白以外に薄紅色もある。

つるの子は製造元の老舗菓子店の廃業により、忘れられかけたこともあった。幻のお菓子となりつつあったつるの子を復刻したのが、以前その老舗で修業していた西岡茂さん。当時、西岡菓子舗は創業から5年経っていたが、西岡さんの元に「もういちどつるの子を」という、依頼が持ち込まれた。

西岡さんは修業時代に先輩が作るのを目で覚え、その製法を書き留めたメモを見つつ試作を繰り返し、ようやく納得のいくものに仕上がった。依頼主に「昔と同じ味だ」と合格点をもらうまでに、それでも1カ月間かかったそうだ。

つるの子の材料は、県内の養鶏農家から取り寄せた特選赤卵、高純度の白双糖に、ゼラチン。門外不出のその卵でなければこの味にはならないという。創業以来、昔ながらの製法と家族での店頭販売にこだわり続ける。
ここに注目!
四季折々の和菓子もおすすめ。初釜用の花びら餅、秋には紅葉、夏なら流水など、目にも美しい仕上がり。自慢の餡子は手作り。「自家で餡子を炊かなくなったら、うちの店もやめると思います」とは、奥さんの弁。
商品データ 伊予鉄道南町電停から276m
駐車場あり
店舗名 西岡菓子舗
住所 愛媛県松山市道後一万9-56
営業時間 9:00~17:00
定休日 日曜日
TEL 089-925-5642
FAX
URL
その他

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