里海隊
郷土料理

丸ずし (宇和島市)

庶民の生活の知恵から生まれたヘルシーな郷土料理
丸ずし
すしめしの代わりにおからを使用ほづみ亭ほづみ亭ほづみ亭
丸ずし

脂肪分が少なく栄養価が高いおからを使用

庶民の生活から生まれた、ヘルシーな郷土料理だ。JR宇和島駅から歩いて5分。小さな川沿いにある『郷土料理大衆割烹ほづみ亭』で『丸ずし』をいただいた。大豆から絞った豆乳のおからを俵型に固め、甘めの酢でしめたサバやイワシ、サヨリなどの青魚を巻いて握った「おすし」。宇和島を中心に南予地方で食べられている。郷土料理店だけでなく、スーパーマーケットや鮮魚店の惣菜コーナーでも販売されている人気の料理でもある。

見た目はおすしだが、口に含むとまったく違った食べものだとわかる。魚からはほどよい酸っぱさが伝わり、淡泊な味のおからと絡むと、ほどよい味わいになる。ひと口サイズなので、パクパクと食べられそうだ。その一方で、脂肪分が少なく、栄養価も高いおからを使っているので、健康面を気にする人にとってはうってつけの料理。ヘルシーで、おなかも満たされる、ありがたい一品だ。

鯛そうめんなどと並ぶ皿鉢料理の一品

『ほづみ亭』店長の石丸さんは「『丸ずし』はおすしを食べられない時代に、庶民がよく食べられたそうです。魚を巻いたら、おすしっぽく見えますからね」と教えてくれた。米が貴重だった江戸時代、伊達十万石の宇和島藩でも、貧しかった庶民は気軽にはお米を使ったすしを食べることができなかったのである。

気分だけでもお寿司を食べた感覚になりたい。そう思った人々は、すしめしの代用品としておからを使ったすしを考案した。宇和島の人々は原価を安くして食べていた。米とは違い、いつでも手に入るものでつくった丸ずし。先人たちの生活の知恵から生み出され、いまも宇和島の人々に愛されている。

丸ずしは鯛そうめんやふくめんなどと同じように、お祝い事などで出される皿鉢(さわち)料理の一品としても欠かせない。栄養のバランスがよく、日持ちもするので、保存食にも適しているそうだ。健康にもいい郷土料理。ひと口ずつかみしめると、先人たちの顔が目に浮かんできた。
ここに注目!
「丸ずし」のように、おからを使った郷土料理で、新居浜市などの東予地方に「いずみや」がある。別子銅山の開発をした住友家から伝わった料理で、住友の屋号「泉家」から名前がついたと言われる。
商品データ サバやイワシなどの青魚、おから他
店舗名 郷土料理大衆割烹 ほづみ亭
住所 愛媛県宇和島市新町2丁目3-8
営業時間 11:00~13:30、17:00~22:00
定休日 日曜日、あるいは連休最終日
TEL 0895-22-0041
FAX 0895-23-4991
URL http://www.hozumitei.com/index1.html
その他 席数208席、駐車場あり

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