里海隊
郷土料理

網元ちりめん丼 (宇和島市)

水揚げされたばかりのちりめんをふんだんに使ったどんぶり
網元ちりめん丼
網元ちりめん御膳海の幸が豊富な津島町の北灘湾大広間では宴会も可能料理 田むら
網元ちりめん丼

おいしさの秘密は井戸水にあり

ふんわりといい匂いが漂ってくる。お皿に盛られたちりめんをどんぶりごはんの上にかけると、ごはんが見えなくなってしまった。青のりと青ネギ、そして生卵をトッピング。特製のポン酢をかけ、ちりめんとからめるようにして混ぜ、豪快にかき込む。ボリューム満点だ。

国道56号沿いにある宇和島市津島町の『料理田むら』を訪れて『網元ちりめん御膳』をいただいた。「じゃこ天」や「ふくめん」などもついていて豪華。でも、主役はやはりちりめんだ。
「朝に獲れたものだから、おいしいでしょ? ここでしか食べられないからね。県外の人も食べに来るよ」と、おかみの田村正美さんは、自慢の料理について説明してくれた。

ちりめんは正美さんのふるさとでもある津島町の北灘地区で獲れたカタクチイワシを使用している。口に入れた時、ほんのりと塩の味が広がる。その秘密は海水ではなく、井戸水に塩を入れてゆがくこと。「塩加減が少し甘めになる。しょうゆを入れると、甘みがある」そうだ。塩分が少ないぶん、長持ちしないというデメリットがあるが、カタクチイワシに含まれるカルシウムが抜けないのだ。

漁師が食べていたまかない料理

『網元ちりめん丼』は郷土料理の『六宝(ろっぽう)』と同様、津島町の漁師が考えた料理。ちりめん漁は明治元年から始まったが、田むらで腕をふるっている寿一さんは「ちりめんは魚のエサに使っていたくらいで、漁師しか食べなかった」という。さらに「昔は漁に出た船が沈みそうになるぐらいの大漁だった」そうだが、漁獲量が少なくなった今では貴重な海の幸となった。

鮮度が命の魚介類。「つくだ煮や、かぶの酢のものに入れてみたりしてもおいしい」と、寿一さんは違う食べ方を教えてくれた。そして「やっぱり、そのままで食べるのが一番。網で揚げてから、1時間ぐらいで食べるのが最高」なのだそうだ。津島でしか食べられない味を求めて、県外から訪れる人も多い。地元の人が愛するちりめん。わざわざ足を延ばして食べに行く価値は十分にある。
ここに注目!
ちりめんという名前は、カタクチイワシなどの小魚を平らに広げて干したものが細やかなしわを持つ絹織物のちりめん(縮緬)を広げたように見えることが由来。主な生産地は愛媛の他に、熊本、徳島、広島、高知。
商品データ ちりめん(カタクチイワシ)、生卵、青ネギ他
店舗名 料理 田むら
住所 愛媛県宇和島市津島町高田甲280-2
営業時間 11:00~14:00、17:00~22:30
定休日 不定休
TEL 0895-32-2023
FAX 0895-32-3292
URL
その他 津島やすらぎの里から車で4分、駐車場あり

関連リンク
関連ファイル