里山隊
郷土料理

いぎす豆腐 (今治市)

心安らぐ今治の夏の風物詩
いぎす豆腐
流し入れる容器の形で出来上がりもいろいろいぎす豆腐材料となる海藻のイギスと生大豆粉杉村精一さん
いぎす豆腐

今治の夏の風物詩はおんまく祭りといぎす豆腐

『いぎす豆腐』は、愛媛県今治市を中心とする瀬戸内海地方に伝わる郷土料理で、海藻の「イギス」を大豆粉と共に煮溶かして固めた食品だ。大豆粉を添加することで、海藻の繊維が溶け、つるりと舌ざわりのいい食感が生まれる。
町をあげての祭り『おんまく』と並ぶ、今治の夏の風物詩である。

今治市在住で愛媛県調理師会の名誉会長を務める杉村精一さんに、いぎす豆腐をつくっていただいた。杉村さんは調理師歴50年以上のキャリアを持つ熟練の料理人だ。すでに第一線からは退いたものの、今もなおその腕は健在である。

愛媛県でも他の地方ではなじみの少ないいぎす豆腐だが、今治市からしまなみ海道・大三島あたりまでは家庭料理として食卓に登場する。自身を「浜の子」だと称する杉村さんも、子供の頃には磯でイギスを採っては、家族に調理してもらっていたそうだ。
「子供の頃から食べているから、いつも身近にあるものだと思っていました。他所にはないというのが不思議に感じます」と、杉村さん。

家庭によって具材もいろいろ

『いぎす豆腐』はあっさりした味で、海藻のクセはまったくない。固めの木綿豆腐のような食感で食べやすく、混ぜ込んだエビから染み出す出汁で、しっかりとした味がついている。枝豆やキクラゲのこりこりした食感もたまらない。

食欲が落ち気味の夏場でも、これなら食べられそうだ。酢味噌、からし味噌、しょうが醤油、ポン酢など各人の好み、家庭によってつけるものが違うそう。惣菜としてだけではなく、酒のつまみによし、おやつとしてもうまそうだ。

昔は子どもたちが海に潜って採っていたというイギスも、現在は今治市内のスーパーや乾物屋に大豆粉とセットで販売されている。
いぎす豆腐が店頭に並び始めると、今治っ子は夏の到来を感じる。
ここに注目!
海藻のいぎす草で作る料理は「いぎりす」、「きゅうと」、「いごねり」等、名前を変えて九州や日本海側にも分布している。
商品データ イギス草(海藻)、生大豆粉、にんじん・ごぼう・枝豆等の野菜系、こんにゃくやヒジキなど、家庭によって具材は異なる
店舗名 今治郷土料理普及協議会事務局
住所 愛媛県今治市常盤町1丁目1-4
営業時間
定休日
TEL 0898-32-0554
FAX 0898-33-0843
URL http://www.imabari-cooking.jp/
その他 協力:愛媛県調理師会名誉会長 杉村精一さん

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