里山隊
郷土料理

梅豆腐 (久万高原町)

先人の知恵から生まれた山里の保存食
梅豆腐
岡田百合子さんいろり手づくりの梅干しこんにゃく道場山小屋
梅豆腐

久万高原町の伝統の担い手

柳谷村は現在久万高原町に合併され、今はなき村。背後に天狗高原、右手に大川嶺の山々が迫る。山を越えると、そこはもう高知県だ。

旧柳谷村のこんにゃく道場『山小屋』で、満面の笑みがかわいらしい岡田百合子さんにお会いした。出身は大分県日田市で、30歳を前に夫の利水さんの帰郷を機に、旧柳谷村西谷へ。先に叔母が久万出身の男性と結婚してこの地に根付いていたとはいえ、不安もあっただろう。環境も言葉も違い、なかなかなじめず、一度は九州に戻ろうとしたこともあったそうだ。

今、岡田さんは久万高原町西谷にしっかりと根を張って、柳谷の郷土料理を次の世代に伝える活動をしている。百合子さんは「これも縁だねえ」と、しみじみ当時を振り返る。

すっぱさがやみつきになる

岡田さん手作りの『梅豆腐』は、梅干しとシソに石豆腐をつけこんだ、この地方の保存食。冷蔵庫のない時代、たんぱく質が豊富だが、反面どうしても腐りやすい豆腐を長く持たせるため考えられた昔の人の知恵の結晶である。
梅豆腐は漬物と同じように、豆腐を梅干しとシソに漬けこむ。豆腐が梅酢を吸うため3回ほど、梅干しとシソを入れ替える。自家製の梅干しとシソをふんだんに使うのがコツ。10日ほど経たてば、豆腐の表面が梅色に染まり、美しい梅豆腐ができあがる。

薄く切って、炊き立ての白米の上にのせる。梅豆腐はさっぱりと口ざわりがいいので、ついつい箸が進む。表面の色づいている部分は梅の味が濃く、内側になるほど、淡い豆腐の味が楽しめる。さざんかの花弁のように濃淡が美しい梅豆腐、甘酸っぱい風味が独特で、たとえるなら梅味のチーズといったところか。冷蔵庫で約1カ月は持つので、酒の肴にしてもおいしそうだ。

岡田さんは手づくりのこんにゃくや鮎、採れ立てのしいたけを炭火であぶりながら、「忘れられてはいけない味がある。伝統の味をできるだけ多くの人に味わってほしい」と、笑顔を向けてくれた。
ここに注目!
現在、岡田百合子さんの梅豆腐は「こんにゃく道場」以外にも、道の駅みかわ、国道33号沿いの直売所でも購入できる。また、柳谷産の生こんにゃく芋で作る手作りこんにゃくも絶品。
商品データ 石豆腐、梅酢
店舗名 こんにゃく道場「山小屋」
住所 上浮穴郡久万高原町西谷11064
営業時間 10:00~12:00(こんにゃく体験は2時間程度)
定休日 7日前までに連絡すること
TEL 0892-55-0114
FAX
URL
その他 営業は3、4、10、11月のみ(5〜9月はこんにゃく芋栽培時期のため休み)

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