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スイーツ

まるゆべし (西条市)

柚子を丸ごと使用した江戸時代の味
まるゆべし
一口ゆべし星加のゆべし東町店星加のゆべし東町店4代目星加勇蔵さん
まるゆべし

打ち抜き水が育んだ伝統の味

日本七霊山のひとつ、霊峰石鎚山。西条市はこの石鎚山の麓に位置する町である。石鎚山脈に抱かれた西条平野は打ち抜きと呼ばれる清涼な湧水に恵まれている。銘菓『星加のゆべし』も、長年この水の恩恵を受けてきた。

現在、4代目星加勇蔵氏が当主を務める『株式会社星加のゆべし』は、創業慶応3年(1867年)。代々、当主が『星加勇蔵(ゆうぞう)』を襲名し、現在へと脈々と受け継いできた由緒ある菓子処である。

「ゆべし」とは柚餅子とも書き、まるゆべしは実の上部を切り取った柚子の中身をくり抜いて柚釜をつくり、そこに柚子皮、餅米粉、砂糖などを混ぜたものを入れて蒸したものだ。次に蒸しあがったものを何カ月か寒風にさらす。ゆべしの起源は古くは足利時代までさかのぼり、将軍の祝い事の記録にも残るほど、格式の高い料理である。

年に一度、2000個しかできない珍品

『まるゆべし』は1年に一度、柚子が旬の時期だけ作られる。全部が手作業、しかも複雑で手間のかかる工程のために、年間に2000個しかできない珍品だ。しかも完成までに3カ月以上かかる。それゆえに、どんなに請われたとしても時期によっては丸ゆべしを提供できないこともあるという。

ゆずのなかに絞り込んだゆべしが、どの程度熟成したかは長年の勘のみ。毎日子どもの顔色をうかがうように、果皮の色、固さ、香りをチェックするという。天候などによって毎年完成する期間が変わるため、完成間近になると一刻たりとも油断はできないそうだ。「創業以来の江戸時代の味を味わっていただきたいです」と星加さん。

寒風にさらされたゆべしは、柚子本来の色からしだいに色づき、飴色に変わり、それが時間とともにいっそう濃くなっていく。渋紙色になった丸ゆべしを薄く切れば、部屋中が濃厚なゆずの香りで満たされていく。
ここに注目!
星加のゆべしでは竹の皮に包んだゆべしも製造しており、年間を通じて販売されている。これも、本物の竹の皮を使用しないと味に深みが出ないそうだ。
商品データ 砂糖、白味噌、柚子、米粉、餅粉他
店舗名 株式会社 星加のゆべし
住所 愛媛県西条市西田甲538-2
営業時間 8:30~18:00
定休日 火曜日
TEL 0897-55-8474
FAX 0897-53-2473
URL http://www2.ocn.ne.jp/~yubeshi/
その他 松山自動車道いよ西条ICから車で約15分

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