里海隊
ご当地グルメ

皮ざく (伊予市)

「もったいない」という思いが生んだエコ料理
皮ざく
真鯛やマゴチなど瀬戸内海の魚の皮(下から)真鯛、スズキ、ホウボウボイルした後、皮を冷水でもみ洗い店主の岡﨑さん
皮ざく

材料は真鯛やマゴチなど瀬戸内海の魚の皮のみ

食べられるものは全部食べる。そんな思いからつくられたエコ料理がある。野菜や惣菜など、伊予市の特産物を販売するまちづくり交流市場「町家」に立ち寄り、同施設内にある『岡﨑鮮魚』を訪れた。ちりめんなど地元・伊予灘や瀬戸内海で獲れた魚介類が多く並ぶなかで目を引いたのが『皮ざく』だ。真鯛やスズキなどの皮を細切りにしたもので、同店の人気商品のひとつでもある。

開発した店主の岡﨑さんは「季節によって、皮の種類は変わるんです」と教えてくれた。この日は真鯛、マゴチ、トラフグ、スズキ、チヌ、ホウボウの6種類。カンパチと真鯛の肝を、もみじおろし、ネギと一緒に特製だれに溶かしていただく。かむごとに不思議な食感が続く。スズキとチヌがコリコリしていると思えば、真鯛はもっちり。たれに溶けた肝が皮に絡み合い、まろやかな味わいになる。

「もったいない」という思いがきっかけだった。刺し身をつくった際に出る皮は廃材として捨てていた。約10年前、常連客の男性から「何か変わった商品はないの?」と言われ、岡﨑さんは新商品の開発に入った。試しにオコゼの皮を刻んで提供したところ「うまかったよ。もう一度、つくってほしい」と絶賛された。「作っている最中に、工程がふぐざくと同じだと気づいた」と説明。いわば、新居浜地方の郷土料理の別バージョン。以降、コチやスズキなどの皮で調理し、試行錯誤の末、約2年後に販売を開始した。

約10日間に1日だけ店頭に並ぶ貴重な商品

完成までには手間ひまがかかる。刺し身をつくるごとにできる皮についている余分な肉を処理し、熱湯でボイル。氷水で冷やし、冷水で揉み洗いした後、冷蔵庫で乾かす。パレットいっぱいに皮が貯まった約1週間後、皮を刻んで『皮ざく』の完成だ。岡﨑さんは「一度に40皿ぐらいしかできない」と説明。1週間~10日に一度しか作れず、毎日店頭に並ぶわけではないため、買えればラッキーという貴重な商品でもある。

岡﨑さんは「もちろん全部、瀬戸内の魚でつくっている。どこにもマネできないでしょう」という自信の一品。皮にはコラーゲンがたっぷり含まれているため、美容にもいい。実際、お客さんも酒のつまみに購入する男性だけでなく、女性客も少なくないそうだ。1日で完売するほどの人気商品。岡﨑さんは今後も、新たな魚で皮ざくづくりに挑戦していく考えだ。
ここに注目!
新居浜市発祥のふぐざくは、フグの皮や白身などを細切りにしてポン酢ともみじおろしで味つけしたもの。カワハギの肝がのっているのが特徴で、同市内の料亭「波満蝶」の初代店主・藤田浅次郎さんが考案した。
商品データ 真鯛、マゴチ、トラフグ、スズキ、チヌ、ホウボウの皮、カンパチ、真鯛の肝他
店舗名 岡﨑鮮魚
住所 愛媛県伊予市米湊827-4(町家)
営業時間 8:30~17:30
定休日 水曜日
TEL 089-983-3902(町家)
FAX 089-983-3902(町家)
URL
その他 岡崎鮮魚がある手づくり交流市場「町家」はJR伊予市駅、伊予鉄道・郡中港駅からともに徒歩1分、駐車場あり

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