里山隊
スイーツ

こめたくんの塩こうじ蒸饅頭 (西予市)

地元愛が生んだ懐かしい味
こめたくんの塩こうじ蒸饅頭
表面をあぶって食べてもおいしいメンバーが集まって菓子を作るよりみちよりみちの皆さん(右から2人目が川田さん
こめたくんの塩こうじ蒸饅頭

地元の農産物を加工して製造

野村町内から大洲に抜ける国道441号は、しだいに山に分け入っていゆく。西予市野村町鳥鹿野(とじがの)は、深い山の渓(たに)に沿って開けた集落。「鳥鹿野という名前からして、昔から鳥や鹿なんかがたくさん生息していた村だってわかりますよね。ここいらは渓谷沿いの集落なので、昔から『渓筋(たにすじ)』とよばれています」と、渓筋農林水産物加工所『よりみち』副組合長の川田照(てる)さんが教えてくれた。

よりみちでは、地域の農家が生産した農産物を加工し、販売している。お餅から味噌、ケーキ、まんじゅう、クッキーなどのメンバー手作りのしみじみとした昔懐かしい味が人気で、西予市内だけではなく松山市内までファンがいる。

2003年4月に完成したよりみちの加工設備は西予市でも随一といわれ、新たな特産品開発の拠点となりうると市内外から注目を集めている。同会のメンバーは約60人。下は50代、上は80代90代まで。手の空いている人が手伝いに来ている感覚で、メンバーが集まっている。渓筋の自慢は米。昔は宇和島藩の蔵前米(藩の蔵屋敷を通じて商品化される米)だったほどうまい米とされていたそうで、渓筋製品には米をイメージしたキャラクター「こめ太くん」のシールが貼られている。

塩こうじと酒粕の懐かしい味

『こめたくんの塩こうじ蒸饅頭』を作り始めたのは2002年。塩こうじブーム到来時「魚や肉は塩こうじに付け込むと柔らかくなるから、おまんじゅうもやわらかいものができるのでは?」と思ったのがきっかけ。渓筋特製の手造り塩こうじは、市販のものよりもほんのりと甘め。その分、あんこや生地は甘さを抑え、酒粕の香りを生かすようにあんばいしている。

塩こうじだけではなく、酒粕も同時に入れることで、納得のいく味をつくることができた。川田さんは「どの配合が一番おいしいか試すために、酒粕を増やして、こうじや砂糖を減らしたりと、グラム単位で足したり引いたりしたんです」と説明。納得がいく味ができるまでには4~5カ月かかったそうだ。ぱさぱさしたらおいしくないからと酒粕とこうじの分量は季節ごとに変える。また、ひと口サイズにしたのも、核家族や独居の人でも、乾く前に食べきれるようにというこころづかい。

山あいの村・渓筋にも過疎化の流れが押し寄せつつあるそうで、空き家も目立つ。「働く場所を作りたい。よその町にいかなくても、この集落で生きがいを見つけられるように、仕事の場を作りたい」。地元を愛するがゆえに、川田さんたちは日夜奮闘している。
ここに注目!
同市宇和町の宇都宮酒造の『花神(かしん)』という赤い酒の酒こうじを使うことで、ほのかに紅色のまんじゅうを作ることに成功。紅こうじ饅頭は白い塩こうじ饅頭よりもやさしい味。花神の醸造時期のみの期間限定。
商品データ 塩、甘酒、麹、小麦粉、あずき、砂糖他
店舗名 沢筋農林水産処理加工所 よりみち
住所 愛媛県西予市野村町鳥鹿野598
営業時間 10:00~17:00
定休日 不定休
TEL 0894-75-0111
FAX 0894-75-0660
URL
その他 駐車場あり。同組合の商品は、野村、宇和、大洲、八幡浜、内子、保内など南予地方のショッパーズ内、どんぶり館、乙亥会館内百姓百品、もしくは松山市内の生協3店舗で購買可能。「田舎料理製造体験」など各種企画もあり

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