里山隊
スイーツ

ひぎりやき (松山市)

松山人が愛する駅前の銘菓
ひぎりやき
たっぷりのあんこが入るひぎりやき製造中ひぎり茶屋独立山「善勝寺」(お日切さん)
ひぎりやき

地元に根差した昔ながらのおまんじゅう

松山市湊町は、多くの人が行きかう喧噪の街だ。平日も朝早くから通勤通学の人波が急ぎ足で通り過ぎる。松山市駅前商店街の一角に『独立山善勝寺』がある。

ここは通称『お日切さん』と呼ばれ、期日を定めて祈願をすれば必ず叶うとされる霊験あらたかなお寺。境内に一歩足を踏み入れると、周辺とはうって変わって敬けんな雰囲気が漂う。満願成就の5色の幟(のぼり)と千羽鶴に彩られ、今も参詣の人が供える線香の煙が絶えない。

お日切さんの名を冠した松山名物が、澤井本舗の「ひぎりやき」。他県民には今川焼、大判焼きと言った方が通りがよいかもしれない。鉄の焼き型で焼いた円筒形の生地の中にあんこがたっぷり入った和菓子だ。

しかし澤井本舗の澤井善一郎社長は、ひぎりやきと今川焼とは別物だと力説する。鉄の焼き型で、生地を焼くのは同じだが、生地に圧力をかけて焼くか、生地を焼いた後にあんこを挟むかなど、作り方が違うので味も違うそうだ。ひぎりやきは、肌目に細かく気泡が含まれて、ふかふかした焼き上がりだ。

松山人の郷愁を誘う和菓子

店頭のガラス越しに丸い型の鉄板が何列にも並んでいるのが見える。周辺に甘い香りが漂ってくると、焼き上がりの合図。きつね色に焼きあがった生地に「日切焼」の焼印が映える。焼き立ての『ひぎりやき』を目の端にとらえてしまったら、何はともあれ買ってしまいそうだ。

澤井本舗では、松山を離れた人に郷土を思い出してもらえるようにと、ネット販売を始めた。澤井社長は「松山人の郷愁 には、ひぎりやきがあるんですよ」と言う。

澤井家の家系の男の子は、代々名前に「善」という字がつく。これはお日切さん『善勝寺』由来。5代前にまでさかのぼることができるそうで、現社長も善一郎、息子さんにも善の文字が付く。この味を引き継ぐ覚悟がうかがえる。時代が変わっても善勝寺がいつもこの町にあるように、日切焼きも町の風景のひとつとして、松山人の心に根付いている。
ここに注目!
お日切さんの夏祭りは、松山3大夏祭のひとつ。地蔵盆には商店街に屋台や夜店があふれ、かつての姿が忍ばれる。
商品データ 小麦粉、砂糖、重曹、あずき他
店舗名 澤井本舗
住所 愛媛県松山市湊町5丁目4-1
営業時間 10:00~18:00(持ち帰りは21:30まで)
定休日 年中無休
TEL 089-933-0915
FAX 089-932-9197
URL http://www.rakuten.ne.jp/gold/higiriyaki/
その他 伊予鉄道松山市駅前駅から58m

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