里山隊
食材

手作りこんにゃく (東温市)

人と人とのつながりに支えられた一品
手作りこんにゃく
手作りこんにゃくこんにゃくを左の釜で煮る白猪屋酒店近藤ミヤ子さん(中央)とお友達
手作りこんにゃく

絶景を見た後に体の芯から温まる

東温市・皿ヶ嶺連峰県立自然公園にある白猪ノ滝(しらいのたき)は、高さ96メートルから3段に落ちる段瀑(だんばく)。特に冬期は圧巻で、滝の水が凍りついた様子はあたかも氷の彫刻のようで、訪れた人はその造形美にただ息を呑むそうだ。

国道494号から白猪の滝に至る遊歩道の入り口に、『白猪屋酒店』がある。店主の近藤ミヤ子さんの手作りこんにゃくの入ったおでんが人気。卵、ちくわ、天ぷら、ジャガイモ、豆腐、こんにゃくの7種類で、特に滝が凍る2、3月は見物客がこごえた体を暖めに次々と訪れるため、一番忙しい時期だ。

「50~60年前になるかね。亡くなった主人の両親がこの店をつくったのよ。この町には人と人とのつながりがあるから、今もやっていけるんです」。ご主人亡き後も、近藤さんは40年来の友達の助けを借りて、この店を守っている。

薄くそぎ切りにして、作りたてを刺し身で食べる

近藤さんが『手作りこんにゃく』を作り始めて15年になる。よく洗ったこんにゃく芋をミキサーにかけペースト状にし、しっかり練った後、炭酸ナトリウムを加えて型に流し、30分ほど火にかける。ゆっくり炊き上げることで、あくが抜けて刺し身で食べることができるそうだ。おいしさの秘密は、近藤さんいわく「水がいいから」。また、防腐剤などの添加物を一切使わないことも、味の違いにつながるそうだ。

まだ湯気のあがっているできたてのこんにゃくを薄くそぎ切りにして、ねぎをたっぷりかけて味噌をつけながらいただいた。ざくざくした口当たりは手作りゆえ。近藤さんは「味噌には、からしを入れたりして、ひと工夫。うちだけの味を作っています」と説明。あっさりとポン酢や生姜醤油でいただいても箸が進みそうだ。トウモロコシを入れたとうきびこんにゃくと唐辛子を入れたこんにゃくは、近藤さんの自慢の一品。かむとほのかにトウモロコシの香りと甘さが口の中に広がる。懐かしい味だと、年配の方に特に好評だそう。

「朝4時ごろから起きて、午前8時には作り終わってないといけない。体がしんどいこともあるが、こんにゃくを作るのが好きだから。みんながおいしい、おいしいと言ってくれるのがうれしいからできるんです。もう辞めようと思うこともあるが、楽しみにしているお客さんがいる以上、動けるうちは頑張らないと」と胸の内を語ってくれた。
ここに注目!
「白猪の滝」は、カメラマン・北中康文の日本の滝100選にも選ばれた名滝。同市のPRキャラクター「いのとん」は、この滝の伝説がモチーフになっている。
商品データ こんにゃく芋、炭酸ナトリウム、トウモロコシ、辛子他
店舗名 白猪屋酒店
住所 愛媛県東温市河之内3305
営業時間 7:00~16:00(11~3月)、7:00~18:00(4~10月) 
定休日 不定休
TEL 089-966-2926
FAX
URL
その他 松山自動車道川内ICから国道11号・494号を白猪の滝方面へ車で10キロ

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