里海隊
郷土料理

いずみや (新居浜市)

旧財閥が生み出した庶民の味
いずみや
キメの細かいおからをコノシロで巻いている食べやすいひと口サイズにカット昆布でしっかりと酢締め瀬戸内割烹 鞍馬
いずみや

小魚でおからを巻いてヘルシーに

旧財閥が生み出し、いまも愛される郷土料理が新居浜市にある。江戸時代から庶民の味として知られる『いずみや』だ。1690年(元禄3年)に別子銅山を開山し、日本の貿易や近代化に寄与した住友家が調理法を伝えたとされており、その屋号「泉屋」から名前がついたという。アジなどの小魚をおからに巻いたシンプルな料理で、燧灘(ひうちなだ)を望む場所にある『瀬戸内割烹 鞍馬』を訪れ、特別につくっていただいた。

おからはていねいに裏ごしされる。当たり鉢ですり潰し、ザルでこしてあるので、パウダーのようにキメ細やかなものに仕上がっている。この日の魚はコノシロ、鯛、鯖の3種類。骨を取り除いておろしたものを昆布で挟む。酢締めされた魚におからを盛って、巻き寿司のようにすのこで巻いた後、食べやすい大きさに切っていく。

さっそく、いただいてみた。あまりなじみのない若い世代にも食べやすいようにと、酢は抑めにしてある。コノシロなどの魚からは昆布と酢の柔らかい味がにじみ出てくる。おからは口当たりがよく、口のなかで溶けていくような食感だ。ひと口サイズに切ってあるので食べやすく、さっぱりしているので、あっという間に平らげてしまった。

米を食べられなかった時代の節約料理

店長の加藤さんは「お米がない時代、おなかを満たすためにおからでつくったようです。魚自体はそんなに高くなかった時代ですから」と説明した。江戸時代中期になると、日本中の各藩は財政が行き詰り、節約・倹約のためにおから料理を推奨。新居浜地方では住友家によって伝えられた『いずみや』の調理法が庶民の間に広まった。お米を食べられない時代を象徴する料理といえる。

宇和島市を中心とした南予地方にも『丸ずし』という郷土料理がある。「いずみや」と同様、おからを米の代わりに使って、お寿司を食べている気分を味わっていたという点では共通する部分がある。おからは栄養面でもすぐれ、食物繊維やカルシウムをたっぷりと含んでいることから健康食品としての注目されている。ヘルシーな料理を食べ、後世にも伝えてほしい味だと思った。
ここに注目!
大豆が原料のおからはカルシウムの他、たんぱく質やカリウム、ビタミンB1などの栄養素を含む。ダイエット効果もあると言われ、脂肪の吸収抑制や基礎代謝の向上、コレステロール低減などが確認されている。
商品データ コノシロ、サバ、真鯛、おから他
店舗名 新居浜料飲組合
住所 愛媛県新居浜市東雲町1丁目1-62
営業時間 8:30~17:00
定休日
TEL 0897-33-3920
FAX 0897-37-5252
URL http://www.h6.dion.ne.jp/~ryoin/
その他 「瀬戸内割烹 鞍馬」 住所:愛媛県新居浜市西原町2丁目2-10 営業時間17:30~22:30、定休日 日祝日、年末年始 電話:0897-34-2435 駐車場あり

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