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スイーツ

大番 (宇和島市)

サツマイモをイメージした宇和島銘菓
大番
真珠のささやきおのがみ菓子舗3代目の小野上功さん宇和島市商店街 きさいやロード
大番

市内の菓子店が力を合わせてつくった和菓子

宇和島市の3大和菓子といえば『唐饅』『善助餅』そして『大番』。大番は大正末期の宇和島地方を舞台にした獅子文六の人情小説「大番」にちなんだものだ。同市出身の少年が東京兜(かぶと)町で株式相場の世界に足を踏み入れ、奮闘する話。テレビドラマ化や映画化もされ、全国のお茶の間で人気を博した。

1957年の映画化の際「松山にはタルトという代表的なお菓子があるが、宇和島にはこれぞというお菓子がない。宇和島と言えばこれという銘菓を作りたい」という当時の中村市長の肝入りで、小説と同名の菓子をつくったのが始まり。市長に賛同した市内菓子店が組合を作り、額を寄せあって案を出し、いろいろな試作品を出し合い、商品化にこぎつけた。

当初は20軒ほどの店舗が製造していたが、現在では市内7軒のみ。宇和島の「牛鬼」をデザインしたものから、映画で主人公が東京駅に立った時の姿をあしらったものまで、各店オリジナルの意匠を凝らした菓子箱や包み紙もおもしろい。

カステラ、柚子入りあん、そぼろ生地のハーモニー

宇和島市商店街『きさいやロード』の一角に、2015年に創業80年を迎える老舗和菓子店『おのがみ菓子舗』がある。店頭には木箱に入った菓子が並んでおり、焼いたばかりの『大番』を冷ましている。ゆずを練り込んだあんを、楕円形のカステラで挟んだもので、表面にクランブル(そぼろ状の生地)がちりばめられているのが特徴だ。

「いまでこそ、宇和島ではジャガイモも作っていますが、昔はこのへんではイモと言えばサツマイモのこと。大番はサツマイモをイメージして作ったお菓子なんですよ」と、3代目の小野上功(おのがみ・いさお)さんは教えてくれた。カステラにまぶされたそぼろは、サツマイモに生えている「ヒゲ根」を表しているそうだ。

ふんわりしたカステラ生地としっとりしたこしあん、そしてサクサクしたそぼろの食感の違いが大番のだいご味。秘密は材料にあるようで、そぼろは寒梅粉(かんばいこ)にヤマイモを混ぜた生地を漉して作るそうだ。「このそぼろが大事なんです。このそぼろがあるとないとでは、味もおいしさも大違いです」と小野上さんは強調する。

おのがみ菓子舗の大番は、日吉産の柚子をきかせて、こしあんをあっさり食べられるように工夫されている。中身のあんにチョコレートやクリームなどバリエーションを持たせたこともあるが、「長らくのファンは、やっぱりこればかり購入されます」と小野上さんは笑った。
ここに注目!
全国菓子博覧会金賞受賞「真珠のささやき」という菓子は一見の価値あり。真珠貝の形をしたガナッシュケーキに、真珠そっくりのチョコボールがあしらわれていて驚くこと間違いない。
商品データ ヤマイモ、グラニュー糖、寒梅粉(かんばいこ)、小麦粉、卵、膨張材など
店舗名 おのがみ菓子舗
住所 愛媛県宇和島市中央町1丁目6-10
営業時間 9:00~18:30
定休日 木曜日
TEL 0895-22-0874
FAX 0895-22-0874
URL
その他 1000円以上お買い上げにつき駐車券あり

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