里山隊
郷土料理

蜂の子ご飯 (久万高原町)

甘く香ばしい郷土の味
蜂の子ご飯
蜂の子ご飯大野愛子さんいやしの宿八丁坂これを炊き込む
蜂の子ご飯

愛媛県にも蜂の子を食べる文化があった

県道12号西条久万線は、久万高原町から西条市へ石鎚山をまたぐようにのびる遍路道。『いやしの宿八丁坂』は、この遍路道沿いにある。

こちらで『蜂の子ご飯』をいただいた。久万高原町にはリンゴ農園が多い。平野部は温暖な愛媛県だが、久万高原町の冷涼な気候はリンゴ栽培に適し、甘く蜜を帯びたリンゴをつくるからだ。いやしの宿八丁坂で使用する蜂の子は、地元のリンゴ農園で駆除対象となったスズメバチの子。スズメバチはリンゴの受粉を担うミツバチの天敵だ。

信州地方では蜂の子を食べる習慣があるそうだが、愛媛ではあまり聞き慣れない食材である。久万高原町のこのあたりでは、昔から家庭で地蜂の子を調理して食べていたそうだ。

蜂の子はほんのり甘く香ばしい

『蜂の子ご飯』は、蜂の巣から採取した幼虫とさなぎを、味付けしたご飯に炊き込んだもの。幼虫が“蜂の子”で、“さなぎ”は羽こそないが、成虫とあまり変わらぬ姿で、ひと回り小さい。飯椀に盛られた蜂の子ご飯は、食べたことのない人には脅威だ。椀が食卓に上ったときには、息をのんだ。意を決して口に運ぶ。

しょうゆと砂糖だけのシンプルな味付けだが、蜂の子から出る旨みが飯全体に染み込んで、複雑な味わいだ。しょうゆ味の飯が鶏肉を炊き込んだかのようにうっすらと脂を帯びて、蜂のさなぎは木の実のように食感もしっかり、川エビのような香ばしさで予想以上のおいしさだ。珍味である。

久万高原町は松山から40キロほどしか離れていない。県都から日帰りもできるほどの山里に、これまで知らなかった食文化があることに驚いた。蜂の子ご飯は、旅の醍醐味をダイレクトに味わうことのできる料理である。
ここに注目!
蜂の子は貴重で、注文があってからの料理となるので予約は必須。久万高原町内でも、蜂の子を使った料理を提供している店は少ない。蜂の子飯は単品ではなく、定食の一品として供される。
商品データ 米飯、しょうゆ、砂糖
店舗名 いやしの宿 八丁坂
住所 愛媛県上浮穴郡久万高原町下畑野川甲1609-7
営業時間 11:00~14:00(レストランのみ)
定休日 火曜日(レストランのみ)
TEL 0892-41-0678
FAX 0892-41-0677
URL http://www.8-cho-zaka.jp/
その他 伊予鉄バスふるさと村停留所にて下車。徒歩2分

関連リンク
関連ファイル