里山隊
郷土料理

五色そうめん (東温市)

神様の啓示から生まれた5色のそうめん
五色そうめん
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五色そうめん

文人墨客(ぼっかく)の愛した郷土の味

松山市居相町にある伊豫豆比古命神社(いよずひこのみことじんじゃ)は通称「お椿さん」と呼ばれ、商売繁盛をもたらす神社として信仰を集めている。愛媛県という県名は、この神社の祭神の愛比売命(えひめのみこと)から来たもの。毎年、旧暦正月7~9日に開催される『椿まつり』にはたくさんの人々が押し寄せ、臨時バスが出るほどのにぎわいを見せる。

椿神社の霊験は、東温市のそうめん製造会社『五色そうめん森川』にも伝わっている。同社は全国に広く普及した色つきそうめんの元祖で、脈々とその伝統の味を伝えてきた。現在「そうめんといえば五色そうめん」と呼ばれるほど、認知度も高い。

同社は松山藩へと転封になった藩主・松平定行に随行してきた初代、長門屋市兵衛が寛永12年(1635)に創業。享保7年(1722年)、8代目長門屋市左衛門の娘が、家内安全と商売繁盛を願ってお椿さんに詣でた時に、境内で5色の糸が下駄に絡まった。お椿さんの啓示だと受け取り、色も鮮やかな5色のそうめんを開発。以来、300年近くも郷土の味を守り続けてきた。

当時は濃紺の麺は高菜、黄色はクチナシ、赤い麺は紅花などで色付けしていたそうだ。朝廷や徳川吉宗公にも献上され、江戸時代の浄瑠璃作家、近松門左衛門が五色そうめんを称えた書簡が残されている。

守るべきはお客様の信頼

「たかがそうめん。されど五色そうめん。どんな老舗でも環境の変化や時代の変化に対応していかなければ、生き残れない」と、『五色そうめん森川』の代表取締役の森川さんは言う。麺はその日の気温や湿度により塩水温度や加水率が変化するため、伝統の製法を踏襲しつつも最新の設備を導入。最適の環境で、最高の味を作り上げている。

また、5種類の小麦粉を合わせることで、14種類のそうめん生地を作り、そこに梅肉、鶏卵、そば粉、抹茶、山芋などを練りこみ、バリエーションも豊かに色や味の違いを表現。人工着色料は一切使っていない。梅肉や抹茶を練りこみ、かつ、細く腰の強い麺を作ることには苦労したそうだが、長年の研究によって独自の製法を築き上げた。特に香り高い『梅そうめん』は人気の一品。森川さんは「全国で一番売れているそうめん」と豪語する。

「不易流行(ふえきりゅうこう)がモットー。変えるべきものは変え、守るべきものは守る。守るべきは、お客様の信頼。お客様を裏切らないようにしたい」と森川さん。老舗としての矜持を高く持ち続けている。
ここに注目!
東温市上林水の元にある「水の元そうめん流し」は、五色そうめんを使った流しそうめん。皿ケ嶺連峰の景観を楽しみながら食べるそうめんは絶品だとか。営業は夏期のみ。
商品データ 小麦、ごま油、梅、卵、抹茶、梅、柚子、そば粉他
店舗名 五色そうめん株式会社森川
住所 愛媛県東温市南方2283-1
営業時間 9:00~16:00
定休日 土日祝祭日
TEL 089-966-5511
FAX 089-966-5588
URL http://www.goshiki-soumen.co.jp/
その他 伊予鉄道・横河原駅から車で4分

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