里海隊
ご当地グルメ

三津浜焼き (松山市)

「広島焼き」とは似て非なる、港町生まれのお好み焼き
三津浜焼き
右上はトッピングの油(牛脂)三津浜焼きリーズナブルな価格店舗外観
三津浜焼き

戦前の「一銭洋食」がルーツ

松山市三津浜地区。レトロな雰囲気のある港町には、小さなお好み焼き店が25軒ほど点在しており、それぞれがこだわりの味で根強い人気を得ている。この地におけるお好み焼きの歴史は古く、戦前、小麦粉を水で溶いたものを鉄板で焼き、好みのものをトッピングして食べた『一銭洋食』がルーツ。戦後の『広島焼き』よりも古く、三津浜焼きならではの具材として薄切りのちくわや魚粉、麺に混ぜる牛脂や天かすなどがある。また、そばやうどんの麺入りを食べたい時はお好み焼きを表す「台付き」を付ける必要があり、そばの場合は「そばの台付き」と注文する。同地区では数年前より『三津浜焼き』と名づけ、町おこしの一環としてPRしている。

伊予鉄三津浜駅のすぐそばにある『日の出』は三津浜焼きの店のなかでもよく知られた、50年近く続いている老舗だ。店の前には爽やかな潮風が吹き抜けるが、6人掛けの椅子がある店内は鉄板の熱と油の匂いが充満し、店の外とはまるで別世界。2代目の児玉輝雄さんはアツアツの鉄板の前で「夏は暑いよ。窓全部開けてるけどね、ここで42、43度。エアコンつけても壊れるから、もう自然の風。夏場よく体調壊します。気をつけてるけど熱中症になる」と言う。

食べ方もトッピングも自由自在

数ある『三津浜焼き』の店のなかでも長く愛されている『日の出』の魅力とは何だろう。児玉さんは「そんなこだわって焼いてるわけではないんだけど」と前置きしたうえで、次のように説明してくれた。「ソースの味と、うどん、そばの麺の味が合ってるんじゃないかな。ソースは広島の、『オタフク』じゃないけど甘目のやつ。麺は焼く前に湯通ししてる。これは他の店ではあまりやってないね。みんな袋に入った柔らかいので使ってる。キャベツも他より多めかな、入れても案外しぼむから」

これといって特別なことをしているわけではない。その気負いの無さも魅力のひとつかもしれない。食べ方やトッピングについても、特別なルールはなく「コテで食べると熱いからね。箸でも何でも、好きな形で食べればいいと思うよ。トッピングも、エビもイカも肉も卵も、いっぱい入れたらおいしいかと言うとそうでもないと思うんだけどね。シンプルな食べ方する人もいるし。まぁ、でも、どんな注文でもできる範囲ではやります」という。

時には「キャベツ無しで焼いて」、「ソースつけないで」というようなオーダーもあるそうだ。思い思いに好きな形で食べたいを受け入れることのできる器の広さ。日の出が長く愛される理由はそれかもしれない。
ここに注目!
焼くのに時間がかかるため事前に予約の電話を入れて、持ち帰ることもできる。トッピングに脂(牛脂)を入れる人が多い。トロッとした甘みが出るが、けっこう脂っぽくなるので体調と相談のうえ注文すること。
商品データ 小麦粉、キャベツ他
店舗名 日の出
住所 松山市三杉町11-8
営業時間 11:00~19:00
定休日 水曜日
TEL 089-952-3676
FAX なし
URL なし
その他 三津浜のお好み焼き店は「三津浜焼き」ののぼりを立てている。「日の出」は破けてしまったので今は立てていないそうだ。トッピングされているピンク色のものはちくわ。地元では珍しいものではないが、他所から来たお客さんには「これ何ですか?」とよく聞かれるそうだ

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