里海隊
加工食品

皮ちくわ (八幡浜市)

エソの皮を竹の皮に巻きつけて焼きあげた高級品
皮ちくわ
竹の棒に巻きつけて焼き上げる商品名「かわちく」として販売商品の前で笑顔の谷本社長谷本蒲鉾店
皮ちくわ

フグの皮を食べているようなコリコリとした食感

魚の皮でつくられた「幻のちくわ」がある。宇和島市と並び、じゃこ天やかまぼこの生産地として知られる八幡浜市の老舗『谷本蒲鉾店』では、エソの皮を竹の棒に巻いて焼き上げた『皮ちくわ』を製造している。すり身でつくられる通常のちくわとはまったく違うという。どんな味がするんだろう。好奇心を抱きながら店を訪ね『かわちく』という商品名で販売されている皮ちくわを購入した。

見た目は宇和島市の太刀魚巻きのようにこんがりと焼かれている。谷本社長が「食べる時は竹の皮を立てて、グッと前に押してください」と言うとおりにすると、きれいに竹の皮から抜けて筒状に。輪切りにしてみると、断面は何枚も巻かれたエソの皮でぎっしりだ。樹木の年輪のようにきれいな模様を描いていた。

さっそく、いただいてみる。魚のくさみが漂ってくるが、魚好きなら食欲が倍増するかもしれない。普通のちくわとは違い、かなりの弾力があるので、ひと口ではかみ切れない。かめばかむほど、エソの味がにじみ出てくる。谷本社長は「フグの皮を食べているようなコリコリとした食感でしょ? おかずというよりは珍味として喜ばれています。冷やして食べるとおいしいですよ」と笑った。確かに、ポン酢や紅葉おろしといっしょに日本酒を飲めば、とても合いそうだ。

1本に50~60匹分のエソの皮を使用

機械化が進むなか、現在でもひとつひとつ手づくりされている。谷本社長は「1本つくるのに、エソ50~60匹分が必要になります。うろこも取って巻き上げていきます」と言う。皮と皮の間に隙間ができないよう、エソのすり身をつなぎとして使用。ひも状の皮を1本ずつ、ていねいに竹の皮に巻き上げていく。そして、約30分かけて焼き上げる。手間がかかっているからこそ、うま味もよりいっそう、凝縮されている。

『皮ちくわ』はものを大事にしようという思いから生まれた商品だ。谷本社長は「副産物として捨てられていたものをうまく再利用しようという考えから生まれた」と由来を教えてくれた。かまぼこをつくる際に取り除かれるエソの皮を捨てずに商品化。加工場が八幡浜港の近くにあり、新鮮な魚をすぐに仕入れることができるのも、皮ちくわが生まれた理由のひとつに挙げられる。現在では谷本蒲鉾店以外でも、市内数店舗で販売されている。

1本1300円(税別)と高級品だが、谷本社長が「お客様には高いと言われるが、1本にかかる魚の量とか時間を考えると、それぐらいの価値はあると思います」と自信を持って提供している。一度に約30本購入する人もいるという。贈答品、魚好き、あるいは酒好きの人へのおみやげとしても喜ばれそうだ。
ここに注目!
皮ちくわは全国的にも珍しいが、徳島県阿南市には「ハモ皮ちくわ」がある。長さ約80センチのハモの皮に味付けをし、竹の棒に巻きつけ、炭火で焼き上げる。エソの皮ちくわ同様、1本ずつ手づくりされている。
商品データ エソ
店舗名 谷本蒲鉾店
住所 愛媛県八幡浜市駅前1
営業時間 8:00~19:00
定休日 1月1~3日
TEL 0894-22-0266
FAX 0894-22-3162
URL http://www.jyakoten.co.jp/index.html
その他 道の駅「八幡浜みなっと」から車で5分、駐車場あり

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