里山隊
スイーツ

唐饅 (八幡浜市)

かめばかむほど味が広がる中国伝来の菓子
唐饅
唐饅の断面(柚子あん)唐饅の焼き板吉見菓子舗 5代目の中川康さん
唐饅

カリッとした食感とねっとりしたあんこが絶妙

「最初はゴルフボールを手で回す練習から始めました」と言うのは、八幡浜で名物元祖『唐饅(とうまん)』を作り続けて40年、吉見菓子舗5代目の中川康さん。
唐饅はその名のとおり、中国伝来の菓子で、まんじゅうを押しつぶしたような平たい生地にゆずあんや黒砂糖あんを挟んだもの。カリッと焼きあがった生地と、ねっとりと糸を引く蜜のようなあんこの食感がたまらないと息の長い人気を誇る。

唐饅の生地の練り、焼き上げには熟練の技術が必要で、ちょっとでも失敗すると生地に穴が開き、なかの黒砂糖がぶくぶくと湧き出てしまうので、前述の練習を繰り返したという。

全国的にも大変珍しい菓子で、八幡浜と宇和島にしかなく、唐伝来の菓子が長崎を経て、愛媛県の南予地方に伝わったという説がある。長崎には一口香(いっこっこう)という菓子があるが、これと材料が一緒らしい。しかし、なかが空洞の一口香と味はまったく違うそうだ。

家庭の事情で急きょ家業を継ぐことになった中川さん。当初は、父直春さんと材料も煉り方もまったく同じようにしているのに、うまく形にならなかったそうだ。焼き色がうまく出ないと悩み、同じ色が2日と出せないからと寝る間も惜しんで練習を繰り返し、独立した職人を訪ねては、教えを請うたという。うまくできるようになったのは作り始めてから15年も経った頃だった。

雨の一降りでも出来上がりが変わる難しさ

唐饅生地には砂糖を一切使わず、水飴だけで練り上げていく。
中川さんは「大きな俵みたいな鍋に水飴を入れて、そこに粉を少しずつ加えていくんよ。最初どろっとした水あめが、粉を食わすことになって生地になっていくんよ」と教えてくれた。次にその生地であんこを包み、手作業でひとつひとつ薄くした後に丸型で抜く。

その後でフライパンのような取っ手のついた焼き板にのせて焼くのだが、2、3秒遅れただけですぐに焦げてしまうらしい。早すぎても遅すぎても、板の上にのせた16枚すべてがダメになるそうだ。

焼き上げ中は、一言もしゃべらず、小さなオーブンを凝視し、集中をとぎらせることはない。客にはわからないほどの誤差らしいが、完璧な円形でなかったとか、ほんの何秒か窯から早く出してしまったなど、満足いくことは一度もないそうだ。

「唐饅は難しいお菓子です。雨の一降りでも違う」
中川さんは、今日こそは完璧に作りたいと願いつつ、息を整え窯に火を熱を入れる。
ここに注目!
防腐剤も保存料も使用していないにもかかわらず、賞味期間は2カ月と長いので、進物、お土産にもおすすめ。
商品データ 麦芽水飴、小麦粉、イオン水飴、黒ゴマ、砂糖、柚子、黒砂糖、膨張材
店舗名 有限会社吉見菓子舗
住所 愛媛県八幡浜市大黒町1丁目1525
営業時間 8:00~18:00
定休日 日曜日
TEL 0894-22-0810
FAX 0894-24-0443
URL http://www.yoshimikashiho.com/
その他 JR八幡浜駅から1254m
駐車場あり

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