里山隊
郷土料理

緋の蕪漬 (伊予市)

松山の初春を伝える甘酸っぱい味
緋の蕪漬け
緋の蕪漬作業漬新漬新 専務取締役の新田交玄(ともはる)さん
緋の蕪漬け

民謡「伊予節」にもうたわれた松山名物

パリッとした歯触りと甘酸っぱさが特徴の漬物『緋の蕪漬(ひのかぶらづけ)』は、おせち料理に入れると華やかな色彩で祝膳が明るくなると、松山の家庭で重宝されてきた。原料は「お城山が見えるところでないとうまくできない」とされた緋のかぶら(赤カブ)だが、現在は伊予市など松山近郊でも栽培されるようになっている。

正式な品種名は『伊予緋カブ』。よく見かける白いカブ(金町小かぶ)と違い、表面と茎が紫色をしている県特産のカブ。これをダイダイ酢で漬けこんだものが、緋の蕪漬けである。

カブに含まれる天然色素シアニンが、ダイダイ酢の酸と反応して、見るも鮮やかな緋色に染まっていく。同じように漬けても外気温15度以下の環境で育ったカブでないと色が定着しないなど、加工が難しい漬物である。

「緋の蕪や 膳のまわりも 春景色」と正岡子規

創業以来40年近く、『漬新』は『緋の蕪漬』を製造販売している。「この色は、添加物の色ではありません。カブそのものから出てくる色です」と強調するのは、専務取締役の新田交玄(ともはる)さん。あまりにも美しい色であるために、添加物の色ではないかと聞かれることも多いそうだが、この色は緋のかぶら自体にブルーベリーで有名な「アントシアニン」が入っているため。

同社の原料カブは契約栽培のみで農薬不使用、土さえもこだわっているという。この透明感のある緋色を出すために、とても苦労をしているそうで、漬け込みの際は、ダイダイ酢に加え、レモン、スダチ、柚子などを混ぜて、口当たりや歯ざわりを調整。家庭では黒く仕上がりがちな緋の蕪漬けを、鮮やかなまま食卓に届ける。

松山では「緋の蕪漬の緋色が冴えると、その年は良い年になる。」と言い伝えられる縁起の良い食べ物。愛媛県の俳人・正岡子規が「緋の蕪や 膳のまわりも 春景色」と詠んだ、昔ながらの漬物だ。
ここに注目!
今から380年ほど前、松山藩に転藩された蒲生氏が郷里の近江日野村から「緋の蕪」の原種を取り寄せ、栽培させたと言われている。
商品データ 赤カブ、漬け原材料(りんご酢、砂糖混合ぶどう糖、果糖液糖、ぽん酢、かぼす酢、食塩、昆布エキス)、酸味料(クエン酸)
店舗名 漬新(つけしん)  
住所 愛媛県伊予市上野2626-1
営業時間 8:30~17:30
定休日 日曜日祝日
TEL 089-98-0071
FAX 089-983-3586
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